経済学部の木暮ゼミが「灘の酒プロジェクト」で沢の鶴株式会社を訪問しました
2026/08/04
経済学部木暮ゼミの学生18人が6月26日、「灘の酒プロジェクト」の一環として、日本を代表する酒造メーカーの一つである沢の鶴株式会社(神戸市灘区)を訪問しました。
木暮ゼミが進める「灘の酒プロジェクト」は、地域資源である「灘五郷」の価値を若い世代の視点で見つめ直し、日本酒の新たな魅力発信やリブランディングを目指す取り組みです。
管理部の杉田博美次長、販売課の坪田知朗さん、岡田欣大さんに出迎えていただき、酒蔵のある「瑞宝蔵」へ。製造部の西向賞雄取締役・部長、水瀬祐壱課長兼杜氏代行にあいさつし、現在の工場生産と伝統的な酒造りの映像を視聴しました。その後2チームに分かれ、キャップ、マスク、靴カバーを身に着けて蔵(酒造工場)の内部見学を実施。水瀬課長兼杜氏代行らの案内で、大型タンクや複雑な機器が整然と並ぶ蔵内を巡りました。現在はコンテストに出品するような一部の酒を除いて、この蔵で生産されています。
■原料米と熟成酒への想(おも)い
次に「お酒造りへのこだわり ~原料米、熟成酒への想い~」をテーマとした西向取締役による講義を受講しました。内容は以下の通りです。
≪沢の鶴は大阪で米屋を営む初代が江戸中期の徳川吉宗将軍時代の1717年に「灘では酒造りが盛ん」と聞き、副業として灘で酒造りを始めました。明治維新になると、年貢から地租になり、税金も米でなく通貨で払うことになりました。原料である米が質より量に流れる心配から、良質な原料米品質の確保のための「村米制度」(契約栽培米として生産された米を全量買い取る)が進みました。沢の鶴も1889(明治22)年より兵庫県三木市吉川町実楽地域と契約し、今日まで130年以上の関係を大切にしています≫
沢の鶴では熟成酒にもこだわっています。現在は造った日本酒は短い熟成期間で出荷して飲まれるのが主流ですが、江戸時代には3年、5年、10年と寝かせる(熟成する)ことが普通でした。しかし1878(明治11)年に造石税(酒を搾った時点でかかる酒税)が課され、資金の回収のため、熟成酒は姿を消しました。その後、戦時の1944(昭和19)年に蔵出税(出荷した時点でかかる酒税)が課されるようになり、沢の鶴では1973年、当時の技師長の「もう一度熟成酒を復活させたい」との思いから熟成の取り組みを始めました。皆がいいという酒ではないが、長く寝かせると徐々に色・香り・味わいが変化し、長年の滓(おり)が少しずつ沈殿することで味わいが軽くなるのが魅力ということです。
■7種の商品を試飲しつつ社員の皆さんと懇談
続いて販売課の坪田知朗さんにも加わってもらって、以下の7種類の商品の試飲と懇談を行いました。
1. SHUSHU Light 日本酒初心者、ライトユーザーにも飲みやすい純米酒
2. 整酒(ととのいざけ) 梨のような香り、アルコール10度で軽く酔えるお酒
3. たまには酔いたい夜もある 炭酸や紅茶などいろいろ割って楽しめる
4. サステナブルチャレンジ300 暑い気候でも育つお米、神戸製鋼で発電した余剰熱、ベジタブルオイルインキを使うなど、環境を意識した新商品
5. 古酒仕込み梅酒 全国梅酒品評会で2024金賞受賞
6. 古酒 平成19酒造年度 33%純米大吟醸
7. 古酒 平成19酒造年度 実楽
懇談では学生たちから、「一番お酒が進むおつまみは?」「仕事のやりがいは何ですか」「他の酒造企業との横のつながりは?」などと次々質問があり、社員の皆さんに快く答えていただきました。大らかな社風に触れることで灘の酒造企業に対する親しみが深まり、今後の活動の大きな励みとなりました。今回の訪問で得た多くの気づきと、自分たちの五感で感じた日本酒の魅力を、今後のプロジェクト活動に生かしていきます。
※「経済学部木暮ゼミが『灘の酒プロジェクト』で宮水保存調査会の家村副会長による講義を受講しました」の記事(2026年6月実施)はこちら
※「経済学部の木暮ゼミが『灘の酒』リブランディングプロジェクトの最終活動報告会を開催しました」(2025年2月実施)の記事はこちら
