総合リハビリテーション学部の有志学生が建設中の有瀬キャンパス1号館の利用方法などを考えるワークショップを始めました
2025/06/20





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総合リハビリテーション学部社会リハビリテーション学科2~4年次生の学生有志が6月10日、建設が進む有瀬キャンパス1号館の利用方法、特に誰もが使いやすいトイレ(仮称インクルーシブレストスペース)で何ができるかを考えるワークショップを始めました。20日も引き続き実施します。
同学科の糟谷佐紀教授が呼びかけ、初日は学生10人と関心のある教員、設計施工業者の竹中工務店から設計担当者にも参加してもらいました。
1号館は創立60周年記念事業として敷地の北西、正門のそばに建設され、来年4月にオープンする予定です。鉄骨3階建て延べ約6890平方メートル。地域の皆さんに開かれた建物や空間として、周囲には人工芝を敷き詰めた広場も設けます。
1階に教務センターや英会話交流施設「EnglishPlaza(愛称い~ぷら)」、コンビニ、カフェなどが入り、2階に学生支援センターやボランティア活動支援室、大講義室など、3階に人文学部の研究室などが入ります。
初日は自己紹介から始まり、それぞれが有瀬キャンパスの好きな場所を一つ挙げました。「図書館と体育館の間の道は春になると桜がきれい」「15号館3階のオーバルホールはガラス張りで開放的」などと屋内外にみんな好きな場所があることが分かりました。
続いてレクチャーした糟谷教授が「私たちのことを私たち抜きで決めないで」という障害者運動のキャッチフレーズを示し、建物やスペースを使う自分たちが使い方や設計も一緒に考えることの意義を話しました。「先日、オストメイト(※注)の方が有瀬キャンパスにこられ、どのトイレがオストメイトに対応しているタイプなのかが分からず苦労されたことがありました。その後、表示が少し改善されましたが、一目で分かるピクトグラムを表示するなどしてもっと使いやすくする工夫ができるのでは」と、問題提起しました。
(注)腹部に人工肛門や人工ぼうこうなどのストーマを増設した人
続いて竹中工務店の設計担当、市川雅也さんも縮小模型や設計図を示しながらレクチャーし、「利用する相手の立場になって考え、利用するシチュエーションを考えよう。授業や課外活動はオン、休憩時間はオフ。大学祭やオープンキャンパスもあり、それぞれ使い方は異なります」と話し、トイレも男性用、女性用に加えてジェンダーフリーの「誰でも使えるトイレ」、車椅子に対応できる誰でも使えるトイレを設置し、それぞれの利用者の動線が交錯しないように、教職員とディスカッションし工夫したことを示しました。また、安心・安全で使いやすく、居心地の良い空間にするための空間デザインや空調や照明の工夫についても述べました。
この後、班ごとにディスカッションし、「①1号館で何ができるか」「②(仮称)インクルーシブレストスペースで何ができるか」を発表し合いました。
①は、「有瀬キャンパスの周辺には農園が多いので、そこで収穫したものを広場で販売してもらい、近所の方に買いに来てもらってはどうか」「食堂は混雑しているので、ゆっくり食べるスペースがほしい」「近所の小中高生が学校帰りに大学生に勉強を教えてもらえるスペースがあるといい」「大きい会議室は体育会のクラブの会議や合宿に使えるのでは」との意見のほか、「広場で茶道部が野点をして交流する」との声もありました。
②は「ドライヤーを使えるスペースとコンセントがほしい」「化粧直しのパウダールームの奥に着替えのできるスペースを」「男性用トイレの荷物を置くスペースをもっと広く」「バッグを掛けるフックの位置をもっと低く」「流水音が聞こえないようにBGMを流す」などの意見が出ました。
次回に向けて、学生は街を歩いて、素敵なレストスペース(トイレ)やサイン(表示)を探して情報収集してくる課題を共有しました。終了後、参加者らはヘルメットをかぶり、建設工事現場を特別に見学させてもらいました。
1号館建設プロジェクトの詳細は「有瀬が変わる。」のページに。