現代社会学部の菊川講師の授業で「みずほ証券特別講義」を開催しました
2025/06/09
現代社会学部の菊川裕幸講師が担当する「地域とくらしⅡ」で、5月28日、みずほ証券株式会社の香月康伸氏と兵庫県庁の大西智也氏、稲岡和樹氏らSDGsに取り組む社員や職員を招き、「みずほ証券特別講義」を実施しました。学部生約80人が受講しました。
はじめに、みずほ証券株式会社サステナビリティ推進部の香月康伸氏が、ESG投資と金融市場の視点から見るサスティナビリティについて解説しました。本題に入る前に、人間にとって究極の幸せといわれる4項目(人に愛される・人に褒められる・人の役に立つ・人から必要とされる)を紹介。自身の携わるサステナビリティ関連の仕事は、「人の役に立つ」「人から必要とされる」といった幸せにつながる仕事であると述べました。
続いて、本題のESG投資について解説。ESG投資の本質は、財務諸表で見られる数字ではなく、非財務情報である「E(環境)S(社会)G(ガバナンス)」に対する取り組みを評価して投資するところにあると述べました。主な手法六つを紹介し、その中の1つ「テーマ投資(資金使途を環境・社会問題解決など特定の事業に限定する方法)」について具体例を挙げながら解説。実際に兵庫県ではサステナブル債を発行し、地域の環境・社会課題解決の資金調達を行った実例を紹介。また、みずほ証券が6年連続サステナブル債引受けシェアトップを獲得し、注目を集めていると述べ、SDGs達成のためには金融が必要であると伝えました。
次に、兵庫県庁人事班長の大西智也氏と資金財産班長の稲岡和樹氏が、自治体のSDGsについての取り組みについて紹介。住民生活を支え、よりよくするための自治体の仕事と、人類がこの地球で暮らし続けていくことを目指すSDGsは、目標が似ていることから、密接に関連していると説明しました。
兵庫県はSDGsの推進を促進しており、公民連携推進のためのプラットフォーム「ひょうごSDGsHub」の構築や、学生と民間企業が連携できるプロジェクトを実施しています。大阪・関西万博と連携した「ひょうごフィールドパビリオン」事業は、自治体SDGsモデルに選ばれました。また、兵庫県内にある企業のSDGs推進のため、「ひょうご産業SDGs推進宣言事業・認証事業」を実施。362社が認証され、うち26社が最上位のゴールドステージ企業として認められていると説明しました。
さらに、兵庫県では地域のお金を地域で回していくため、ESG投資の一種「グリーンボンド(環境事業)」を発行。SDGs達成への取り組みの資金に充てています。グリーンボンドは通常の地方債に比べ利率が低くなるなど、投資家側にデメリットが発生する可能性があるものの、グリーンボンドに投資をした企業は、投資表明をすることでSDGsへの取り組みを社外に発信できるメリットがあります。この仕組みにより県内の多くの企業が投資していると、グリーンボンドの状況について解説しました。
最後に、実際の業種別投資表明企業の一覧を見せながら、「就職先を選ぶ際に、興味のある会社がどのような形でお金を集めているのか、どのようなことにお金を使っているのかという視点で見てもらうのも企業研究のポイントになると思う。卒業後も兵庫県で活躍してくれることを願っている」と述べ、講演を締めくくりました。
学生からは、「SDGsの取り組みをする企業を知り、自分がプレイヤーになることが非常に重要だと再認識した。また、自分自身が知ることにより、地元企業の認知度向上に貢献できると思った」「自分自身、SDGsに関心があるため、グリーンボンドによって住みやすい環境づくりがなされていると知り嬉しく思った。就職してもSDGsに貢献したいので、そこに着目して就職活動をしたい」などの感想が寄せられました。