神戸学院大学

現代社会学部

土曜公開講座「つたえ、まもる、災害資料」を開催しました

2023/10/12

災害資料について説明する水本教授
災害資料について説明する水本教授
講義の様子
講義の様子

10月7日ポートアイランド第1キャンパスで現代社会学部 社会防災学科の水本有香教授による「つたえ、まもる、災害資料」を開催し、68人が参加しました。

今秋の土曜公開講座は第86回となり、前半は現代社会学部の教員、後半は薬学部の教員が各研究分野を「私たちのくらしと文化」という統一テーマに基づき、全6回の講義を行います。

冒頭に水本教授から「災害資料」についての説明がありました。「災害資料」とは災害が発生したことが分かる資料のことで、現在では震災資料と被災資料をあわせてそう呼ばれます。震災資料としてはモノ資料(5時46分で止まった時計)、紙資料(避難所に貼られたチラシ、仮設住宅で配られたミニコミ)、写真資料(壊れた建物の写真)などがあり、被災資料としては古文書(くずした文字で和紙に書いたもの)、古い本(和紙に書かれて冊子にしてあるもの)明治・大正・昭和の古い本・ノート・記録(手紙や日記など)・新聞・写真・絵などが挙げられます。

阪神・淡路大震災でも震災資料を伝え、被災資料を守る活動が行われました。震災直後から被災地の復旧・復興の家庭において使用・作成されたモノ資料や紙資料、写真資料、映像・音声資料といったものの一例が紹介されました。また発行された刊行物や配布物といった二次資料も多く残されています。

現在は当時にから大幅にデジタル化が進み、災害資料の保存形態も多様化していますが、いずれにせよ災害資料を作り、残していくことが必要です。「忘れない、伝えていくことが大切だが、忘れていくし、伝えられないこともあります。後に、それがどうだったのか、正しかったのか、検証ために資料(=記録)を作り、残すのです」と水本教授は話しました。

最後に新潟県中越地震、東日本大震災、熊本地震、海外の事例の紹介があり、講義は終了となりました。受講者からは「災害資料を残していくことの重要性がよく分かった」「災害について改めて考える良い機会となった」など多くの感想が寄せられました。

次回10月14日は、現代社会学部 現代社会学科の鈴木洋仁准教授による「皇室の現在と私たちのくらし」です。