現代社会学部の松田ゼミが香川県小豆島でフィールドワークを実施しました
2025/12/23
現代社会学部現代社会学科の松田ヒロ子教授ゼミでは、地域における空き家活用の可能性を考えることを目的として、12月12日から13日にかけて小豆島(香川県土庄町)でフィールドワークを行いました。
松田ゼミは11月に淡路島と神戸市西区でも空き家の活用事例について学ぶフィールドワークを実施しています。今回の訪問の主な狙いは、淡路島と神戸市の事例研究を踏まえて、土庄町の地域プロジェクトマネージャー、森亜紀子さんが購入した空き家の活用方法について学生から提言することです。
2年次生13人と松田教授は、ポートアイランドキャンパスから大学がチャーターしたバスで姫路港まで向かい、フェリーに乗り換えると2時間ほどで小豆島に到着しました。初日のほとんどは、土庄町の域学連携交流施設「夢すび館」で過ごしました。
翌朝に森さんが土庄町の田井集落に購入した空き家(通称「たいハウス」)に向かいました。受講生は、現地を訪れ、建物内部や周辺の環境などを見学しながら学生の立場からどのような活用方法が挙げられるかを考えました。「たいハウス」の建物自体は築約100年ですが、広い庭が併設されており、建物内部も広く、さまざまな活用の可能性が感じられる造りとなっていました。
特に印象的だったのは2階部分で、屋根裏のような特殊な構造をしていて、かつては養蚕が行われていたそうです。1階の居住空間とは違う特殊な構造をしているため、活用にはさまざまな工夫が必要ですが、従来の使い方にとらわれない新たな可能性を感じました。
「たいハウス」の見学を終えた後、学生たちは土庄町の大部公民館に移動し、三つのグループに分かれて、11月に行ったフィールドワークに基づいた発表を行いました。淡路島と神戸市西区にある空き家を訪問した際に学んだことをもとに、事前にまとめていたパワーポイントを利用して、空き家がどのような目的で活用され、地域住民とどのような関係を持っているかについて説明をしました。また、資金調達や運営方法、活用するにあたってどのような課題に直面するかなど、現実的な視点で説明をしました。
さらに3グループはそれぞれ事前に調査した活用事例を踏まえて、「たいハウス」の活用方法についてアイデアを発表しました。レコードを流し若い世代が集まりやすい場所にする案や、小豆島の特産物であるオリーブオイルのアロマを使いサウナ施設にする、高齢者と若者の交流の場としてモルック場を作る――などの独創的なアイデアが出されました。
今回のフィールドワークを通して、受講生は既存の事例から学び、小豆島の空き家でどのように応用できるかを考える視点を養いました。空き家活用に対する理解をよりいっそう高める機会となりました。



