有瀬キャンパスで明石市の「後見基金プロジェクト」グループワークを実施しました
2026/01/09
判断能力が十分でない高齢者らに代わって財産管理などを行う市民後見人を支援するため、明石市で取り組みが進む「後見基金プロジェクト」のグループワークを昨年12月24日、有瀬キャンパスで実施しました。
テーマは「後見基金を知ってもらうツールとして、クリアファイルをどのように活用すれば、使いやすく・伝わる広報啓発になるのか」。本学(学生・教職員)、明石市産官学共創課、明石市社会福祉協議会、社会福祉法人三幸福祉会、社会福祉法人明桜会、明石市市民後見人、デザイナーが協働し、実践的な学びの場として行われました。
プログラムは、プロジェクト趣旨説明、アイスブレイク、グループワーク、ギャラリーウォークによる全体共有という流れで進行しました。
冒頭で、総合リハビリテーション学部社会リハビリテーション学科の香山芳範講師が、成年後見制度が意思決定支援の重視や地域に開かれた支援体制の構築へと転換しつつあることを説明しました。またその転換に伴い、各地で実施される制度に関する広報も制度説明型から、困りごとを起点に相談へ導く型や、包摂性・地域性を示す型へと多様化していることを述べました 。
その後、学生と実務者が混在するA・B・Cの各グループに分かれ、多様な立場・視点から検討を行いました。今回の大きな特徴は、事前に学生85人を対象としたアンケート・インタビュー調査を実施していた点です。「もらって嬉しい返礼品」「日常で使いたくなるデザイン」「伝わりやすさ」などに関する調査結果をまとめた「アンケート報告書」から導かれた知見を検討に反映させました。調査・検討・実践を一体的に進めた点も、本プロジェクトの重要な前提です。
グループ発表では、クリアファイルのデザインについて学生を中心に以下の具体的な提案がありました。
・仕切りや外ポケットなど使いやすさを重視した構造
・半透明、サイズ感、レア感といった日常使いを意識した工夫
・キャラクターや4コマ漫画を用いた伝わりやすい表現
・QRコードによる問い合わせ導線の整理
・高齢者、障がいのある方、若者など多様な対象者への配慮
最後は、各グループの成果を模造紙にまとめて会場内に掲示し、ギャラリーウォーク形式で相互評価を実施しました。「良い」と感じた取り組みにシールを貼りながら、視点の違いや発想の広がりを共有しました。
また今回は、昨年度の本学卒業生で、現在は明石市社会福祉協議会職員の大垣海斗さんも参加し、学生時代の学びと現場実践がつながる象徴的な機会となりました。
全体の進行およびデザイン思考の軸づくりは、デザイナーの河田悠輝さんを中心に進められ、「分かりやすさ」「使いたくなる」「押し付けない広報」という視点が、議論全体を貫いていました。
学生の調査力・発想力と、実務者の経験、行政・社協の視点が交差することで、後見基金を「制度として守る」だけでなく、「社会にひらいていく」ための具体的なヒントが数多く生まれました。
