東播地区の成年後見制度中核機関等交流会で社リハ学科の香山講師がアドバイザー、学生が実習生として参加しました
2025/09/19
加古川市総合福祉会館で9月1日、研修会「第2回(東播地区)成年後見制度中核機関等交流会」が開かれ、総合リハビリテーション学部社会リハビリテーション学科の香山芳範講師がアドバイザーとして、また同学科3年次生の江金翔太さんが実習生として参加しました。
社会福祉協議会など、市町の垣根を越えて成年後見制度に関わる機関の有志が集まりました。テーマは「死後事務委任契約等」です。「死後事務」とは、人が亡くなったときに行う各種手続きや整理のことで、葬儀の手配や納骨など多数の作業が必要となります。特に身寄りのない人や親族に負担をかけたくない人が生前、第3者に委任するために行うのが「死後事務委任契約」です。
講師は司法書士の山名伸彦さんで、「リーガルマインド、契約と委任契約の基礎、死後事務委任契約の特殊性」の問題を中心に講演がありました。
山名司法書士からは、委任契約の基本的な枠組みや信頼関係を前提とした契約の特徴、死後事務委任契約に特有の法的課題(相続法理や遺言制度との関係、履行費用・報酬設定の難しさなど)について、多角的な観点から説明がありました。特に、契約自由の原則の中で「どこまでを死後事務委任契約に委ね、どこからを遺言制度に委ねるべきか」という実務上の判断は、今後の地域福祉にとっても重要な視点であることを参加者は理解することができました。
後半の意見交換では、参加者から現場での課題や実感が共有され、死後事務支援に求められる「法的安定性」と「社会的必要性」の両立について理解を深める貴重な機会となりました。
また、実習生として参加した江金さんは、「研修を通じて、死後における対応の難しさを初めて知りました。今後の学びに生かしていきたい」との感想を香山講師に寄せました。
「今後ますます増加する『おひとりさま』高齢者支援において、死後事務委任契約をどのように位置づけ、どのように地域で受け止めていくのか、そのための実践的示唆を得ることができました」と香山講師は話しています。