故・山下孝光さんをしのぶ会と出版報告会を開催しました
2025/06/18





元明石市社会福祉協議会副理事長の故・山下孝光さんの活動の軌跡を記録した『明石の福祉を変えた社協マンの実践と闘病の記録』(瀬谷出版)が出版され、同市の社会福祉法人明桜会サポートセンター翔で6月1日、出版報告会としのぶ会が開かれました。山下孝光さんの残したメモやノートの文字を読み解き、活字化するのに協力した総合リハビリテーション学部社会リハビリテーション学科の香山芳範講師と学生らも参加しました。
山下孝光さんは2023年6月に闘病の末に65歳で亡くなりました。著書は、神戸市灘区で、なだ障害者相談支援センター所長を務める妻の香さんが執筆しました。現場での実践の記録と闘病の記録で、仕事を共にした人たちが語る豊富なエピソードも収録されています。
報告会には、泉房穂・前明石市長、佐野洋子・明石市副市長をはじめ、医療・福祉関係者、地域住民、学生、同僚や友人など50人以上の参加者がつどいました。山下さんが長年取り組んだ「地域に根ざした福祉実践」を振り返り、その足跡と想(おも)いに触れました。
明石市社会福祉協議会で実習も行い、今回は学生代表として登壇した4年次生の岡杏幸さんは、「山下さんの思いを受け継ぐことができた経験は、自身の成長に繋(つな)がりました。将来はこの明石で、地域に貢献したいと思います」と力強く語りました。
また、山下香さんは、「この書籍は、孝光の生きた証でもあり、支えてくださったすべての皆様への感謝の記録でもあります」と述べ、会場は静かな感動に包まれました。
参加したある学生は「今回の経験を通して、福祉は奥深いものだと改めて感じ、学んでも学びきれないものが、ある意味福祉の面白さだと感じました。また、今回、山下さんと関わって来られた方々からのエピソードをたくさんお聞きし、山下さんの生きざまを知ることができ、人から尊敬、信頼される方の素晴らしさを実感することができました。私自身も、人から尊敬、信頼される人を目指し、社会に貢献していきたいと思います」と感想を寄せました。
香山講師は「本書には、編集を通じて山下さんの実践にふれた学生たちの名前と取り組みも収録されています。その取り組みは、地域福祉を志す若者たちが確かにバトンを受け継いでいる証しでもあります。山下孝光さんの実践と志は、これからも地域に、そして人々の心の中に生き続けます」と話しています。