神戸学院大学

総合リハビリテーション学部

総合リハビリテーション学部の小川准教授らの研究論文が日本作業療法士協会の国際学術誌に掲載されました

2023/06/20

論文掲載を喜ぶ卒業生たち(左から)大下紘弥さん、中塚壮佑さん、小川准教授、松本孝太さん
論文掲載を喜ぶ卒業生たち(左から)大下紘弥さん、中塚壮佑さん、小川准教授、松本孝太さん

総合リハビリテーション学部作業療法学科の小川真寛准教授らの研究論文が日本作業療法士協会発行のオンライン国際学術誌「Asian Journal of Occupational Therapy(アジア作業療法ジャーナル)」(英文)の2023年19号に6月9日付で掲載されました。

昨年度の卒業生3人が卒業論文でまず執筆し、2021年度の卒業生1人、田代大祐助教との連名でまとめ、小川准教授が英訳しました。タイトルは「Relationship between Occupations and Cognitive Impairment in Patients with Chronic Obstructive Pulmonary Disease: A Scoping Review(作業と慢性閉塞性肺疾患患者の認知機能障害との関係性:スコーピングレビュー)」です。

同論文によると、最近患者が増えている慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、世界で3番目に多い死因となる疾病で、長期にわたる医学的治療と療養が必要とされます。呼吸機能と身体機能の障害によって身体的負荷がかかる行動が制限され、重度化すると日常生活への参加が制限されます。近年、長期の呼吸機能の低下等が脳に影響を及ぼすことが指摘され認知機能障害が起こるという報告が増えています。しかし、そのような問題が生活に及ぼす影響はまとまった報告がありませんでした。

研究グループは2001年から2020年までに発行された複数の英文医学専門誌のデータベースに収録された417本の関連記事から22本の有用な記事情報を分析。COPDの認知機能障害が、ADL(日常生活動作)や、より難易度の高い動作を意味するIADL(手段的日常生活動作:吸入器の使用、薬剤管理、自動車運転など)、仕事(ワーク)との関連が報告されていると結論付けました。

もっともこれまでの多くの研究は吸入器の使用や薬剤管理に関する内容で、ADL(日常生活動作)や自動車の運転との関連を調べた研究は少なく、慢性閉塞性肺疾患患者にとって、ADLなどの作業や自動車運転との関連を調べる、さらなる研究が必要だと結論づけました。

研究論文(英文)の概要とダウンロードはこちら