社会リハビリテーション学科の香山講師が神戸市市民後見人候補者養成研修で講義し、学生と大学院生も参加しました
2026/09/24
総合リハビリテーション学部社会リハビリテーション学科の香山芳範講師がこうべ市民福祉交流センター(神戸市中央区)で9月17日に開催された「第12期 神戸市市民後見人候補者養成研修」(神戸市成年後見支援センター主催)で講義し、同学科の学生らも参加しました。
参加したのは、同学科2年次生の古味汰樹さん、1年次生の山本愛葉さん、大学院総合リハビリテーション研究科修士課程1年次生でモンゴルからの留学生、ベイ・ランさんです。香山講師が「市民後見人の役割と責任」をテーマに市民後見人の役割や権利擁護、意思決定支援、チーム支援などについて話し、事例検討も行いました。講義の柱として、市民後見人を「権利擁護の担い手、地域福祉の担い手」と位置づけ、本人を起点とした後見活動やチーム支援の重要性について論じました。
研修では、権利擁護を単に権利侵害から本人を守ることだけではなく、本人の主体性や自己実現を支え、「本人らしい生活」の実現につなげていく視点から考えました。また、市民後見人が1人で支援を抱え込むのではなく、行政や専門職、福祉関係者などと情報を共有し、それぞれの役割を生かしながらチームで本人を支えることの大切さについても学びました。
さらに、今回の受講者13人の受講動機についても取り上げました。受講動機からは、「地域のつながりの希薄化への気づき」「自分もいずれ支えられる側になるという当事者意識」「身近な人の困りごとから地域福祉への関心が広がった経験」「専門職や地域活動としての実践的な関心」などが見られました。一人ひとりの異なる経験や問題意識の背景に、人と人とを結び、地域で支え合う関係を築こうとする思いがあることを共有しました。
事例検討では、リスクがあることだけを理由に本人の希望を制限するのではなく、本人の価値観や生活歴を確認し、多職種で連携しながら在宅生活を支える方法を検討するという視点を学びました。在宅生活を続けるための環境整備やサービスの活用と、必要に応じた段階的な施設入所の双方を比較しながら、本人の意思をできる限り具体化していくことについて考える機会となりました。
参加した学生からは、「本人の考えを軸にしながら、地域資源や制度を活用し、さまざまな選択肢を示して合意形成を図ることの大切さを学んだ」「一つの方法にとらわれず、本人の生活状況や希望に応じて柔軟に支援を考える必要があることが印象に残った」といった感想が聞かれました。また、本人の尊厳や住み慣れた環境を大切にすることに加え、個人情報やプライバシーを守ることも市民後見人の重要な役割であると学びを深めました。
本学の学生と院生が、地域で市民後見人を目指す受講者と同じ場で学んだことも、今回の研修の特徴です。年齢やこれまでの経験、文化的背景が異なる参加者とともに、判断能力が十分でない人の暮らしを地域でどのように支えていくのかを考えることで、制度の知識だけでなく、本人の思いや生活を起点として支援を考えることの重要性に触れる機会となりました。
「研修に参加した3人は、市民後見人の活動が財産管理や手続きだけではなく、本人の意思を尊重しながら『本人らしい生活』を支え、地域の人々や専門職と協力して支援の輪をつくっていく活動であることを学びました。今回得た学びを、今後の社会福祉や地域福祉、権利擁護についての学修につなげていきます」と香山講師は話しています。
