社会リハビリテーション学科の授業で市民後見制度をテーマに学術講演会と学生座談会を開催しました
2026/06/15
総合リハビリテーション学部社会リハビリテーション学科の授業で6月2日、「市民が主役の成年後見制度とは」をテーマに、宍粟市、明石市、大阪府茨木市の権利擁護実践に携わる行政職員および市民後見人の皆さんを招き、学術講演会と学生との座談会を開催しました。
第1部は3年次生を対象とした「権利擁護法制度論」で、宍粟市福祉相談課の中川真実子係長と廣居陸主事、明石市後見支援センターの二星光沙相談員と稲田輝相談員、さらに両市で活動を続ける市民後見人の飯田里美氏、伊藤実氏より、それぞれの実践報告がありました。
講演では、市民後見人が単なる財産管理の担い手ではなく、本人の意思や生活を尊重しながら日常生活を支える存在であることが紹介されました。また、成年後見制度の利用促進に向けた中核機関の役割、行政、専門職、市民が協働する支援体制、市民後見人養成の仕組み、後見基金による活動支援などについて具体的な実践を交えながら報告が行われました。
特に宍粟市からは、「制度の先には必ず人がいる」ということを忘れず、認知症高齢者との出会いを契機として制度づくりが進められてきた経緯や、市民後見人が本人らしい暮らしを支える存在として活動している実践が紹介されました。
学生からは、市民後見人になったきっかけ、活動のやりがい、活動上の困難、専門職との違い、制度の課題や今後の展望などについて多くの質問が寄せられました。質疑応答を通じて、学生たちは市民後見人の役割や責任の重さだけでなく、本人に寄り添いながら地域全体で支え合う権利擁護のあり方について理解を深めることができました。
第2部では、4年次専門ゼミⅣの学生を対象に、「福祉職として働くことと、市民として地域に関わること」をテーマとした座談会を開催しました。市民後見人として活動するきっかけや活動の魅力、困難な経験、福祉専門職との違い、公務員、社会福祉協議会、福祉施設で働くことの意義、地域福祉と権利擁護の将来像などについて活発な意見交換が行われました。
座談会では、制度や専門知識だけでなく、「地域の一員として誰かを支えること」の意味について率直な対話が交わされました。学生たちにとっては、教科書だけでは学ぶことのできない実践者の経験や価値観に直接触れる貴重な機会となりました。
参加した学生からは、「市民後見人が本人らしい生活を支えていることが理解できた」「地域全体で支え合う仕組みの重要性を学んだ」「将来は社会福祉士として権利擁護に関わりたい」などの感想が多く寄せられました。学生の感想からは、市民後見人の役割や地域共生社会、本人中心支援への理解が深まるとともに、市民後見制度への関心の高まりが確認されました。
企画した香山芳範講師は「本学では今後も、地域の実践者との連携を通じて、権利擁護や地域福祉を担う人材の育成に取り組んでまいります」と話しています。
