GC学部の西田侑記講師による土曜公開講座 「〈国民作家〉のつくり方 —シェイクスピア・ブランドの歴史—」を開催しました
2026/06/19
グローバル・コミュニケーション学部の西田侑記講師が、今年度2回目となる土曜公開講座を6月13日に有瀬キャンパスで開催し、地域住民を中心に65人が参加しました。
西田講師は、「〈国民作家〉のつくり方 —シェイクスピア・ブランドの歴史—」をテーマに、劇作家シェイクスピアの評価が没後400年の間にどのように文化的遺産となったのか、その歴史的背景を解説しました。
講義ではまず、劇作家シェイクスピアが活動当初は著者個人の知名度が重視されず名前が伏せられることもありましたが、徐々に人気作家へと成長していった当時の状況を説明し、当時はあくまで「優れた作家たちの中の一人」という立ち位置であり、現在のような特別な存在ではなかったことを紹介しました。
続いて、没後の17世紀に「シェイクスピア劇は古くさい」とされた時期、上演権を確保したウィリアム・ダヴェナントは、当時の嗜好に合わせ、音楽やダンスを取り入れて作品を仕立て直したことを紹介。また、プロセニアム・アーチと呼ばれる額縁状の舞台構造を持つ当時の劇場の視覚効果も相まって、下火になっていた上演回数は再び増加に転じたと説明しました。
その後、18世紀に俳優ギャリックが主催した「シェイクスピア記念祭」を境に、彼は聖人のように祭り上げられ、生家も聖地のように扱われるなど、国家的な英雄としての地位が確立された過程を解説しました。
最後に西田講師は、シェイクスピアの知名度は単に才能が評価されたという単純な話ではなく、出版業者や劇作家、文化人など多くの人々の思惑が複雑に絡み合って生まれた「一種の社会現象」を経て、現在の「世界的文豪としてのブランド」が作り上げられてきたと強調し、講演を締めくくりました。
受講者からは「シェイクスピアが死後に神格化された過程を知れて面白かった」「ブランド確立に向けて多くの人の思惑が重なり合っている点が興味深かった」といった感想が寄せられ、盛況のうちに終了しました。
次回は6月20日、現代社会学部 現代社会学科の李洪章教授による「神戸における多文化共生の実践」を開催予定です。



