神戸学院大学

経済学部

経済学部の関谷ゼミによる淡路市学まちコラボ事業が始動しました

2025/10/24

淡路梅薫堂の工場見学をするゼミ生ら
淡路梅薫堂の工場見学をするゼミ生ら
「ei-to(エイト)」に展示するジオラマの解説を受けるゼミ生ら
「ei-to(エイト)」に展示するジオラマの解説を受けるゼミ生ら

経済学部の関谷ゼミでは、2年次ゼミ生による今年度の淡路市学まちコラボ事業に取り組んでいます。

淡路島は、古くから線香の製造が盛んな地域であり、かつては全国の約5割の線香がこの地で生産されていたともいわれています。その中心地である淡路市江井(えい)は、近世には徳島藩の軍港として重要な拠点となり、廻船業も発展。島内の富の約7割が江井に集中していたとされる歴史ある町です。

関谷ゼミではこれまで、地域の皆さんと協力しながら、昭和30年頃の江井の町の様子を再現する取り組みを進めてきました。その結果、当時の江井には約90軒の線香製造所と、130軒を超える商店が存在していたことが明らかとなりました。また、「兵庫県線香協同組合40年史」の執筆も行い、同組合の設立からの歴史をまとめています。

昨年度は、ゼミ生が地域の皆さんにインタビューを実施し、地域に息づく声や記憶を丁寧に掘り起こしました。そして今年度は、これまでに蓄積してきた資料やコンテンツを、学生の感性を生かしてどのように発信していくかに焦点を当てています。

活動の拠点のひとつとなるのが、廃校となった旧江井小学校をリノベーションして誕生した複合施設「ei-to(エイト)」です。ここには服飾雑貨店やカフェなどが併設されており、島外からも多くの観光客が訪れています。ゼミでは、この観光客の方々にも江井のまちなかへ足を運んでもらえるよう、町歩きの魅力を高めるための仕掛けづくりを学生たちのアイデアで考えています。

このほど、学生たちが江井の町を深く知ることを目的に、事前学習を行った上で現地を訪問し、実際に町を歩いて体感しました。

線香製造の現場を学ぶために、淡路梅薫堂を訪れ、線香づくりの工程や香りの種類について説明を受けたほか、製造現場も見学しました。仏壇用というイメージが強かった線香について、「癒やし」や「暮らし」に寄り添う香りの文化として捉える新たな視点を得た学生も多くいました。

また、町歩きの後には「ei-to(エイト)」を訪れ、地元の方が制作してきた、かつての江井の町を再現したジオラマ展示について、制作者から直接解説を受けました。江井にはかつて芝居小屋があり、観光船が寄港し、臨海学校として多くの学生が訪れていたことなど、町のかつての賑わいを知る貴重な機会となりました。

今後は、11月に予定しているゼミ合宿にて、これまでの学びや得られたアイデアをもとに、町歩きの仕組みや発信の方法について実験的な取り組みを行う予定です。