経済学部の岡本ゼミが早駒運輸が神戸港で運航する観光クルーズ船「Boh Boh」の認知度向上策を提案しました――大学コンソーシアムひょうご神戸の企業課題解決プロジェクトで
2026/02/25
経済学部の岡本弥准教授の3年次生ゼミと早駒運輸株式会社(本社・神戸市中央区)が一般社団法人大学コンソーシアムひょうご神戸の企業課題解決プログラムで進めてきたプロジェクトの最終発表会が2月18日、ポートアイランド第1キャンパスで開かれました。
同社は神戸港で観光クルーズ船「Boh Boh」を運航しており、認知度の向上が課題となっています。ゼミでは担当社員の皆さんへのヒアリングを通じて明らかになった現状の課題を整理し、乗船実績に関するデータの提供を受けて乗客数の拡大に向けた統計分析を実施。こうした研究を経て「神戸港をもっと魅力的に」と題してプロモーション施策を提案することにしました。
発表会には早駒運輸の渡辺真二代表取締役社長、釣舩勝己取締役をはじめ、担当社員の皆さん、大学コンソーシアムひょうご神戸の山崎智佳子事務局長と大島一英さん、備酒伸彦学長と経済学部の毛利進太郎学部長らが出席しました。
神戸港には複数の遊覧船が運航していることから、ゼミ生らは天候や気温、曜日、便数などの条件を考慮しながら、年ごとの乗船客数の違いを含めて総合的乗客数の推移や天気、気温を分析しました。
まず乗客数は「便数」で決まり、便数を増やすことで一定の需要が見込めることが分かりました。天候の影響は雨の日は大幅減となるものの、曇りはほとんど影響がないことも分かりました。気温については快適な午後の時間帯に上昇すると需要が高まる傾向が見られました。
天候、気温、曜日、便数をすべて同じと仮定して乗客数を経年で見ました。新型コロナウイルス感染症が依然として拡大していた2021年を基準にして22年、23年は増加傾向にあり、24年は前年と比べて低下したものの、21年よりは高水準を維持していました。
また、曜日によって乗客の動き方が違うことも分かりました。天候や気温などの条件を同じだと仮定すると、日曜と火曜、木曜、金曜は乗客数に大差はなく、「来るかどうかは事前に決まっている」可能性が高いと推論しました。
月曜、水曜、土曜は日曜に比べて明確に乗客が少なく、特に土曜は「行って船に乗るか迷っている客が多い」と考えられることから「直前の後押しが効きやすい曜日」だと結論づけました。
そのうえで乗客の少ない月曜、水曜、土曜の状況を改善する施策を提案しました。月曜は日曜宿泊客との連動がカギだとしてチェックアウト後の人が午後に出発するまでの時間を使っての限定クルーズを考えました。水曜は前日の影響を受けやすいことが判明したため火曜に焦点を合わせ、火曜は平日休みの人たちの団体利用が見込めるとして「最後の一押し」が有効だとしました。土曜は「子どもの一言」が家族の最終決定を後押しするとして、子ども向けスタンプラリーの実施を提案しました。
続いて集客力向上のためのイベントとして、ご来光クルーズや船上麻雀大会を提案。麻雀は最近、高齢者にも頭を使う人気のゲームとなっており、船上でオリジナルグッズを販売すれば記念に買ってもらえるのではないかと述べました。また、神戸港の歴史や文化、港の浄化活動への取り組みをアピールし、みなと神戸の存在を宣伝して誘客に結び付けることや、ゆるキャラの利用など子どもたちへの働きかけのアイデアも披露しました。
会場からは「いい企画だとは思うが、コストはどうなっていますか」「曜日ごとの分析が参考になりましたが、乗客数の予測は簡単にできるのですか」などの質問や意見が出されました。学生は船上麻雀大会を開催した場合の収支を試算し、採算が取れる参加人数の目安を示しました。また岡本准教授は「気象データとともに乗客数のデータを統計ソフトに入力すると容易に計算することができます」と答えました。
最後に同社の渡辺真二社長が講評で、「『Boh Boh』は①月1回は京都の料亭の指導で調理した自慢の料理を船上で提供する企画を実施②神戸空港の手前まで船が行くので、発着する飛行機を見ることができる③愛犬を船上に同伴できる――という強みがありますが、それだけでは十分ではありません。学生の皆さんのアイデアは我々にはない発想でした。特に、条件をそろえると土曜日の乗客が日曜日に比べて少ないことなどはとても参考になりました」と述べました。
