神戸学院大学

経済学部

NHK国際局ワールドニュース部の今崎副部長が経済学部の授業で講演しました

2022/07/04

講演する今崎副部長
講演する今崎副部長
今崎副部長の講演を聴く経済学部の学生えあ
今崎副部長の講演を聴く経済学部の学生えあ

NHK国際局ワールドニュース部の今崎常秀副部長の講演会が6月28日、有瀬キャンパスで開かれ、経済学部の岡本弥准教授らが指導する複数のゼミの学生らが受講しました。

今崎副部長は元プロボクシング選手で、選手のトレーナーも務めたことがある異色の経歴の持ち主です。岡本准教授とはボクシングを通じて交友がありました。「報道メディアの仕事・国際局の業務 国際放送局 WORLD NEWS」の演題で、一線の記者当時の経験も交えて語ってもらいました。

「NHK WORLD-JAPAN」は、NHKの国際情報サービスです。テレビ、ラジオ、インターネットを通じて、正確で公平なニュースや、多彩で質の高いコンテンツを、世界に向けて多言語で発信することを目指しています。ホームページには「自由と民主主義を尊重する編集方針を守り、世界の人々の相互理解の促進に努めます」と書かれています。

■「NHK WORLD-JAPAN」のアプリ導入を
今崎副部長によると、ライブストリーミング、ケーブルTV、米PBSを通じた英語ニュースの配信を実施しており、アプリを導入すればスマホでも視聴することができます。ニュースは各国語の字幕付きでも視聴できます。海外の日本に関心を持つ人に加え、視聴者層や取材対象としては日本国内の外国人を重視する流れになっています。

最近のニュース素材の収集はツイッターなどのSNSを活用しての取材手法の重要性が増しており、SNSを通じて拡散される傾向がより強まっているとの説明がありました。ミャンマーのバゴーでの国軍による住民虐殺などの事件もSNSの情報を積み重ねて明らかになったことが、隠されたニュース発掘の事例として紹介されました。「発信されるさまざまな情報をつなぎ合わせ、点を線にして意義付けしていく」という地道な作業がニュースを形作ることもよく分かりました。

■フェイクニュースには「ファクトチェック」で対抗
それだけに、ネット上にあふれるニセ情報などの「フェイクニュース」には細心の注意が払われています。いくら衝撃的でも「事実」であるという「裏取り」をしないと、報道できないことが示されました。

事実かどうかを検証する「ファクトチェック」のポイントとしては①記述が「事実」か「意見」かも見極め②クレジットはどこか(どの機関、誰の情報か)③信頼性の高い情報源か④他のメディアで報じられているなら、比較する④争点がある場合は双方の言い分が入っているか⑤記者の場合は直接取材して確認する――という綿密さ、周到さが求められるということです。

一方、最近は記者会見ライブ、会見内容の詳細など、入手できる情報が格段に増えていることが取材する側のメリットとして挙げられました。映像、画像なら発信元をたどって事実確認する「リバースリサーチ」も行われているとのことです。ジャーナリストやIT専門家による「ファクトチェック」専門サイトの紹介もありました。

担当の岡本准教授からは「英語をどうやって学びましたか。学生にアドバイスがあれば」と質問がありました。今崎副部長は「子どもの頃から外国で暮らした人の多い部署ですが、私自身は違います。30歳を過ぎてから英会話を学びました。東京で働きながらカナダのマギル大学ジャパンでMBA(経営学修士)を取得しました。留学は語学の習得には良いとは思いますが、大事なのは留学前や留学後で、通勤・通学時など日常的に英語(外国語)に接することが大事です。『NHK WORLD-JAPAN』をぜひご活用ください」と答えました。