神戸学院大学

経済学部

経済学部の木暮ゼミが「神戸市にある企業・組織のブランド研究」発表会を実施しました

2022/02/21

参加した木暮ゼミ生ら
参加した木暮ゼミ生ら
発表に対する講評の模様
発表に対する講評の模様
大丸神戸店チームの発表画面
大丸神戸店チームの発表画面
アシックスチームの発表画面
アシックスチームの発表画面
楽天ヴィッセル神戸チームの発表画面
楽天ヴィッセル神戸チームの発表画面
UCC上島珈琲チームの発表画面
UCC上島珈琲チームの発表画面

経済学部の木暮衣里講師のゼミ(3年次生)では、本年度実施した「神戸市にある企業ブランドの研究」の研究発表会を1月7日に開きました。2021年10月~12月に実施したインタビューで協力いただいた楽天ヴィッセル神戸営業部、馬場敦大さん▽アシックス秘書部渉外チームマネジャー、岩田茂太さん▽大丸神戸店販売促進担当、吉本有希さんが参加され、ゼミ生の発表に対する感想や質問を聞かせていただきました。

冒頭で木暮講師がK・L・ケラーが強いブランドを構築する枠組みとして考案した「ブランド・ビルディング・ブロック」について説明しました。底辺である「突出性」(Salience)から頂点となる「共鳴」(Resonance)まで、きれいな正三角のピラミッド型にブロックが積み上がれば、その企業や組織のブランド力は強いと言えます。
ゼミ生らは、経済学部の3年次生224人へのアンケート回答とインタビューを基にブロックを作り、自分達の提案も含めて発表を行いました。

■大丸神戸店チーム
大丸神戸店チームは、若者にも興味のあるスイーツや化粧品等で様々なブランドが買える強みを活かしながら、「環境に良いことをしている」「地域を大事にしている」ことを広く知ってもらい「大丸神戸店で買いたい」と思われるために、店舗での取り組みや経験を「見える化」し、インスタグラム等のSNSを通じてより強く発信することを提案しました。同店の吉本さんには、「Z世代、ミレニアル世代を取り込むことは大切だという認識はあり、SNSもさらに活用しながら、大丸神戸店をご利用いただけるように活動していきたいです」と感想をいただきました。

■アシックスチーム
アシックスチームは、①履きやすさの理由(徹底した調査や先進的な技術)を伝える②日本のスポーツメーカーというイメージを越えた「グローバルな大企業」であることを伝える③経営トップ層が目指すブランドイメージを、アシックス製品を身に着けて発信する――を提案しました。①についてはテレビCMが伝達手段として有効ではないかと学生は考えましたが、岩田さんは「テレビCMを通じた訴求の有効性は理解しつつも、短いCMで技術力を伝える難しさも感じている」と話されました。②については、岩田さんから「どう伝えれば良いか」と質問があり、学生は海外の人の声を動画などで集め、YouTubeなどで流してはどうかと提案しました。

■楽天ヴィッセル神戸チーム
楽天ヴィッセル神戸チームは、高い「突出性」(認知)を土台として、サッカー好きな若者以外のファンを増やすかについて考えました。ステップ1:経営トップに大学での講義をしてもらって関心を高める▽ステップ2▽観戦無料の日でスタジアムに足を運ぶきっかけを作る▽ステップ3:スタジアムでの花火などのイベントやヴィッセル神戸を身近に感じてもらう環境を作る――という3段階の提案を行いました。馬場さんからは「若年層の皆さんに我々のクラブを楽しんでもらうためにいろいろ考えていますので、サッカー好きの友だちと、ぜひスタジアムにゲームを見に来ていただければうれしいです」とコメントをいただきました。

■UCC上島珈琲チーム
最後にUCC上島珈琲チームから、UCCの三色缶のレトロ・アレンジで「エモさ」を伝える、UCCが中心となり神戸がコーヒーの街であることをアピールするなどの提案を発表しました。昨年末に退職された杉山繁和前副社長(当時)から文書でコメントが寄せられ、着眼点や分析について評価をもらいましたが、「分析結果を受けての提案部分が、少し荒いです。STP(Segmentation・Targeting・Positioning)をきちんと議論検討した上で、施策アイディアを提言すると良いと思います。煩雑な作業ですが、それがマーケティングの実際ですので、トライしてみてください」とアドバイスをいただきました。

最後に参加された企業の皆さんから講評をいただきました。
ヴィッセル神戸・馬場さん「どの組の方々も面白い内容でしたが、ご自身やグループの意見や実体験で感じたことが提案に盛り込まれていると、もっと良かったと感じました。ぜひ皆さんで考えてブラッシュアップしてください」
アシックス・岩田さん「分析や戦略も大事ですが、皆さんがひとりのユーザーや消費者となった時にどう感じるのか。『アシックスがこうしてくれたら自分達は買うよ』という生の声、その視点をぜひ大事にしてもらいたいと思います」
大丸神戸店・吉本さん「学生さんのリアルな意見は貴重ですので、『大丸がこうだったら買いに行くのに』とか『どういったSNS発信がいいか』についてもう少し具体的なご提案や、買い物の時のSNS利用についてもよりリアルなお声も聞きたかったと思います」

発表を終えた学生からは、「企業経営の大変さを、身を持って知ることができ、良い体験になりました」「まとめるのが難しかったです。グループでもっと話し合い、自分の意見もしっかり出せるようになりたいと思いました」という感想が聞かれました。

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「経済学部木暮ゼミ『神戸市にある企業・組織のブランド研究』後半2回のインタビューです」はこちら