経済学部の中村ゼミが京都市議会議員の皆さんに「少子化・人口減少問題」をテーマにしたプレゼンテーションを行いました
2026/01/15
経済学部の中村亨教授ゼミ(3年次生)は1月9日、京都市中京区の市役所本庁舎の会議室で京都市議会議員の皆さんに「Staggered DIDによるOECD出生率に関する因果分析−緩やかな結婚制度は出生率増をもたらすのか−」をテーマにしたプレゼンテーションを行いました。中村亨教授も「地方分散政策の展望」のテーマで講演を行いました。
厚生労働省が発表した人口動態統計(2025年11月)をもとにした推計によると、2025年に生まれた子どもの数は66万5000人程度と過去最少の見込みになると昨年12月に日本総研が発表しました。この少子化の傾向は、日本だけにとどまらず、今やグローバルなレベルで起こっていることが近年指摘されています。
中村ゼミ生の報告では、前年度に引き続き、緩やかな結婚に関連する法制度の変更、すなわち同性婚合法化や登録パートナーシップ法の導入をしたことでOECD加盟国の出生率が上昇したかどうかを、最新の因果分析の手法(介入時期が複数あるときの差分の差分:Staggered DID)を適用して精度の高い実証分析を示しました。さらに、Staggered DIDの推定には、現在何種類かのアプローチがある中で、本年度の研究では、Sun & Abraham (2021) 及び、Callaway & Sant’Anna (2021)の方法を採用しました。その結果は、緩やかな結婚に関連する法制度の変更という介入をした後8年から13年を経ると、特殊出生率を、0.12ポイントから0.2ポイント増加させており、しかもその推定値は有意(有意水準5%基準)であることを明らかにしました。
中村教授の講演では、最近話題になっているスマート・シュリンク(賢く縮む)やコンパクトシティーではなく、地方分散の戦略こそが鍵であり、大学・行政・総合病院・食料・エネルギーを中心に置き、江戸時代の多くの藩で実現したモデルを参考に新たな展望を述べました。
学生のプレゼンテーション及び中村教授の講演の後、市議からは多くの質問が寄せられ、地方自治体が直面する問題の解決に向け、ゼミ生の活発な発言もあり、持続可能な地方を構築する際に政治の果たすべき方向性を京都市議と共有することができました。



