神戸学院大学

経営学部

経営学部の田中ゼミがホンダモビリティ近畿と取り組んだ「大学都市神戸産官学プラットフォーム」の課題解決プログラム企画発表会を実施しました

2026/01/21

「EVコミュニティステーション」を考えたAグループの発表
「EVコミュニティステーション」を考えたAグループの発表
EVの災害時の活用をアピールしたBグループの発表
EVの災害時の活用をアピールしたBグループの発表
「みんステ」とまちづくりについてのCグループの発表
「みんステ」とまちづくりについてのCグループの発表
ホンダモビリティ近畿の田中上席執行役員の講評を聴く学生
ホンダモビリティ近畿の田中上席執行役員の講評を聴く学生
「ふりかえり」で話し合う学生ら
「ふりかえり」で話し合う学生ら
学生の発表に補足説明を加える田中教授(右端)
学生の発表に補足説明を加える田中教授(右端)

経営学部・田中康介教授の3年次生ゼミが自動車販売のホンダモビリティ近畿(本社・大阪市北区)と取り組んだ「大学都市神戸産官学プラットフォーム」の課題解決プログラム企画発表会が1月15日にポートアイランド第1キャンパスで実施されました。

「自動車ディーラーにおける若者の車離れ対策、および環境保全」を解決するテーマとして前期に掲げ、ディスカッションやヒアリングを重ねて企画をブラッシュアップしました。三つのグループがEVを街づくりや災害対応、世代間の交流にどう生かすかや、地域とディーラーが共生していく方策をまとめました。企画案の作成と発表にはホンダモビリティ近畿の社員の皆さんにも加わっていただきました。

■若者が高齢者を車で目的地へ運ぶ
Aグループは「誰も取り残さない移動社会―高齢者と若者をつなぐ―」と題して発表しました。運転免許の返納などで移動手段が減った高齢者に対し、時間に余裕がある一方で社会に関わる機会が少ない若者・学生という両者の現状をまず共有しました。その上で世代間の移動手段の格差を埋め、車が必需品になっている地方の問題を環境に配慮しつつ解決する「EVコミュニティステーション」の設置を提案しました。

高齢者施設の近辺、公民館や役場などを設置場所の候補に挙げました。ステーションを拠点に高齢者からの要請で若者が車で目的地まで送迎する「Honda plus+」を導入するアイデアも紹介。高齢者は移動の手段が増え、若者は報酬を得て社会貢献もできると利点を示しました。利用にあたってスマホアプリは多くの高齢者にとって使いにくい問題もあり、電話対応とAIによる自動音声の導入という補助手段も考えました。

こうしてステーションを人と人との交流拠点とする狙いを明確にし、課題として「導入する企業から見れば直接的な収益力が見えにくい」点も認識していました。

■EVを非常用電源として活用
Bグループは「EVを『もしも』から『いつも』へ変える街づくり」と題して発表しました。充電スポットが少ないことから地方観光でEV車は使いづらいという課題を解決する対策を考えました。1点目は「EV観光パス」の導入と普及。EVレンタカーを借りた人には各地の観光・レジャー施設などで特典を受けられるパスを自治体と共同で発行し、スマホアプリと紙の2種類を用意する案です。特典を受けられる施設や充電スポットを示す観光ロードマップを作成して配布することも付け加えました。

2点目はEVの災害時活用を伝えるウェブCMの制作。公共交通機関のモニターで放映する案で、AIを使って試作したショート動画を上映しました。EVは災害時の通信機器の充電に使えるほか、照明や簡易家電への電力供給、避難所や地域拠点での電源確保にも役立つことが十分知られていないことを指摘。地震や台風による停電で困惑する人たち、EVからの電力供給で明かりが灯り、人々の安心した表情…と、物語性を持たせました。EVの利用価値を知ると購入を検討する人も増えると結論付けました。

■車と地域をつなぐ拠点施設を設置
Cグループは「地域モビリティプラットフォームを中心としたまちづくり」と題して発表しました。車のディーラーや配送業者、学生、自治体、地域住民が集まる総合施設「みんステ」を設置して日常の配送拠点や災害時の避難場所、EV車による電力供給地点、行政との連携による物資や食料の配布場所にも使うという案です。

「みんステ」には学生も関わり、高齢者などの移動支援に報酬付きの地域活動として参加することにしました。この案が可能になる根拠として若者の6割以上が車の所有に意欲的だからという、ある調査結果を示しました。

地域と学生や子どもをつなぐために「みんステ」でイベントを開催し、幼少期から「車を見て、車に触れて、乗車を体験する」ことを提案しました。若者や学生を対象にした安全運転やエコドライブの講習会、ホンダの車による移動支援の体験会などを開催し、幅広い世代に車に触れてもらう機会を作れば将来的に車を利用する人が増えると訴えました。

発表を受けてホンダモビリティ近畿の田中忠明上席執行役員・兵庫カンパニー執行責任者は「Aグループは若者と高齢者をどう結び付けるかという難しい課題によく取り組んだ。ビジネスモデルとして事業性が成り立つかはよく問題になるが、企画はすぐに収益につながらなくてもよい。企業のブランド価値を高め、私たちの会社に興味を持ってもらえれば会社の成長戦略にとってプラスになる」と講評で述べました。

また同社の工藤浩司兵庫ブロック兵庫西エリア部長は「当社が抱える地域との連携という課題によく取り組んだ。EVは確かに自動車としての認知が弱い。BグループのウェブCMは学生が作ったというところに価値があり、当社のショールームでも使いたいほどだ」と感想を述べました。

大学都市神戸産官学プラットフォームの藤岡健事務局長も「充電ステーションの空白地帯をどうするかという課題に対し、今回の発表は一つの解になっている。地域と大学生が関わる組み合わせが作り出せれば地域コネクテッドビジネスは増えていく」とまとめました。

最後に田中教授が学生の発表に補足説明を加えるとともに「今回のプログラムを通じて学んだことを就職活動(自己PR・面接)に生かすように」と学生らに指導しました。

「『大学都市神戸 産官学プラットフォーム』の事業で経営学部の田中ゼミが『ホンダモビリティ近畿』と連携した課題解決プログラムを始めました」の記事(2025年7月)はこちら