神戸学院大学

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大学院人間文化学研究科の矢嶋教授が担当する「歴史情報論専門講義Ⅰ」で大阪上町台地のフィールドワークを行いました

2026/07/22

法善寺横丁
法善寺横丁
織田作之助の小説に登場する口縄坂
織田作之助の小説に登場する口縄坂
茶臼山の模擬三角点標石
茶臼山の模擬三角点標石
通天閣を背に記念撮影
通天閣を背に記念撮影

大学院人間文化学研究科で矢嶋巌教授が担当する「歴史情報論専門講義Ⅰ」を受講する、修士課程1年の岡崎希歩さん、桑畑静香さん、種田健人さんら3人が6月20日、大阪上町台地のフィールドワークを行いました。

テキストとして使った専門書で、日本の格差問題について取り上げていたことや、受講生に地歴科専修教員免許状の取得をめざしている院生、ジェンダー問題に関心を持つ院生、文学や芸能に関心を持つ院生がいることから、織田作之助が小説の舞台にした場所や資料室を持つ国立文楽劇場、旧大阪婦人会館にルーツを有するクレオ大阪中央、大坂の陣で徳川家康や真田幸村が拠点を置いた茶臼山や秀吉によって寺町に改造された上町台地上、近代には内国博覧会が開催されて観光地となりながら労働者街にも隣接する新世界周辺にかけて、フィールドワークを行いました。

なんば駅からほど近い繁華街で、織田作之助が『夫婦善哉』で舞台にしたことで知られる法善寺で集合し、2002年と2003年の火災で焼失した後に建築基準法の特例が適用されて維持された法善寺の路地幅を確認しました。続いて、近世には刑場や墓地であったとされる千日前を通って、芝居小屋が集中したエリアの名残を残すなんばグランド花月、同業者町である道具屋筋、ピーク時よりは減ったといわれているもののインバウンドで賑わう黒門市場を視察したのち、大阪文楽劇場の資料コーナーを見学しました。

生玉北門坂から上町台地に上がり、織田作之助の銅像がある生國魂神社を抜けてから南北に延びる寺町を視察し、いくつかの寺を見学することができました。その中の一つである吉祥寺は、谷町筋沿いの築地塀が白黒模様に塗られていて、入ってみると赤穂事件で知られる浅野内匠頭長矩に縁を持つ寺であったことがわかりました。現場でいろいろみつけることの大切さをかみしめました。

この後、旧大阪婦人会館にルーツを有し、男女共同参画社会の実現をめざすための拠点施設であるクレオ大阪中央を訪れ、図書室や資料コーナーで情報収集したのち、織田作之助の小説に登場する口縄坂を下り、近世には有名な料亭浮瀬亭があった愛染坂を上りました。時間の都合から四天王寺の見学を諦め、大坂の陣で徳川家康や真田幸村が本陣を構えた茶臼山を訪れ、三角点に六文銭と三つ葉葵が刻まれていて驚きました。ただし、後日確認すると、こちらは観光用の模擬三角点であることがわかりました。

その後、阿倍野の再開発で建設されたあべのキューズモールを見学してから、インバウンド向けのホテルが増加するなどして変貌しつつある労働者街のあいりん地区を通って新世界まで至り、通天閣の下でフィールドワークを終了しました。

見学後のレポートで岡崎さんは、「文楽の世界が歩んできた歴史として、大衆娯楽から、戦争を推し進める芸術になり、終戦後は世界の作品と文楽を結びつけるなどの発展を行いながら伝統を守り抜いてきたことがわかった」とまとめました。

桑畑さんは、「上町台地の上に四天王寺、寺町があった。寺町は寺が多数続いていた。寺が隣同士に連なっており、初めて見た光景であった」と、率直な感想を記していました。

種田さんは、茶臼山の模擬三角点標石について、「正面に茶臼山と刻まれ、そこから右側に真田家の家紋である六文銭が刻まれ、左側には徳川家の家紋である徳川葵が刻まれており、後ろ側には標高26Mと山頂が刻まれていたことから、歴史オタクや観光客を想定した公園になっていた」と分析していました。

当日は雨の中、台地を上がり下がりし、地形を意識しながらの踏査となりましたが、それぞれに強い印象を得たフィールドワークとなりました。