薬学部2年次生が神戸市消防局と連携して防災講義と実習に取り組みました
2025/05/22






薬学部2年次生の約180人が5月19~22日、神戸市消防局と連携して防災講義と実習に取り組みました。2007年度に神戸市消防局と本学薬学部が締結した「特殊災害発生時の協力に関する覚書」の一環として2008年度から毎年実施しており、本年度で18回目になります。
化学物質を授業などで取り扱うことがあることから、学生全員の意識を高め、災害に対応できる知識や技術を身につけることが目標です。
初日に「化学と安全について」と題して、神戸市消防本部特殊災害救助隊による講義を2年次生全員で受講しました。翌日からの実習では、2年次生ほぼ全員が3日間4班に分散し、薬学部のあるポートアイランド第1キャンパスC号館北側に集まって隊員の皆さんの指導を受けました。
実習初日の20日は雲一つない五月晴れとなりました。大災害を防ぐには初期消火が重要なカギとなるため、さまざまな消火器の安全性や使い方についての説明を受けました。この後、実際に水消火器で標的に向かって各自が放水しました。C号館の屋内消火栓についての使い方の説明もあり、ホースから外に向かって放水する訓練では、学生らは水量の多さと水圧の強さに緊張感が高まった様子でした。
特殊災害現場で使われる資機材の展示では人命に危険を及ぼす「N(放射線)B(細菌などの生物)C(化学物質)」を現場で検知し、測定する機器やドローンを見せてもらい、詳しい説明を受けました。特殊災害現場で着用するさまざまなタイプの化学防護服や消火活動用の衣類の紹介もありました。宇宙服のような化学防護服を実際に着用した学生は、重さを実感していました。受講生から以下のような感想が寄せられました。
「もし災害が起きた時に自分がどう行動すれば良いかを具体的にイメージする事が出来ました。消火器では、使い方がすごく分かりやすく、体験してみても簡単だと感じました。しかし、実際の火事の現場では焦って思うように行動が出来ないという話を聞いて、落ち着く事の大切さを改めて理解しました。防護服の話や屋内消火栓からの放水を体験して、改めて消防士の過酷さと危険と隣り合わせである事を実感しました。薬剤師は他人の命の責任を持つけど、消防士は火事現場の被害者の命を守り、仲間や自分は死と隣り合わせである事に怖さと命の重さを改めて感じました。消防士は誰にでも出来る仕事では無いので、改めて尊敬し、自分も火事の現場などに出合ってしまったら柔軟な対応ができるように心掛けていきたいです」
「消火器や屋内消火栓など、大学内に設置されている消防設備を実際に見て、使い方を学ぶことができ、貴重な経験となった。通常は薬に関する知識や医療現場での対応が中心だが、火災等の安全確保のための初期対応も非常に重要であると実感した。特に印象に残っているのは、消火器の操作体験で、基本的な手順を実際に自分の手で行うことで、頭で理解していた知識が実践的な力として身についた。屋内消火栓についても、重いホースを実際に取り扱ってみて、一人では難しかった」
「今回の実習では、特別な体験ができた。普段は見るだけの消火器を自分の手で扱うことで、『思ったより重い』『ピンを抜く動作が意外と力がいる』など、実際の使用時に必要な力や手順を実感できた。また、放水体験ではホースの水圧の強さに驚いた。一人ではうまくコントロールできず、複数人で協力しないと安定して放水できないことが分かり、消防士の方々の大変さを実感した。