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神戸学院大学

薬学部

薬学部の小野寺章助教らの論文が国際学術誌の表紙を飾るカバー論文に採用されました

2025/11/02

カバー論文に採用された小野寺助教作成の図
カバー論文に採用された小野寺助教作成の図
カバー論文に採用された論文のタイトル部分
カバー論文に採用された論文のタイトル部分

薬学部の小野寺章助教らの研究論文が国際学術誌「Journal of Xenobiotics」(生体異物ジャーナル)Volume 15, Issue 5(今年10月発行)のカバー論文(Cover Feature) として掲載されました。

本論文のカバーデザインは同号の表紙に採用され、特集号の案内や購読者向けの配信にも使用されています。微小粒子状物質(PM2.5とディーゼル排気粒子:DEPs)が免疫機能に及ぼす影響を明らかにした本研究成果が高く評価され、編集部による選考を経てカバー掲載論文に決まりました。

大気汚染、特にPM2.5への曝露は人の健康に重大なリスクをもたらします。PM2.5の主要成分の一つであるディーゼル排気粒子には、炎症や酸化ストレス、免疫機能の低下を引き起こす化学的に反応性の高い物質が含まれています。これまで、これらの微小粒子による急性毒性(細胞死を伴う強い影響)については多くの研究が行われてきましたが、「亜毒性(細胞死を伴わない低毒性条件)」下での影響は十分に理解されていませんでした。

本研究では、ヒト形質細胞様樹状細胞様株(PMDC05)を用いて、低毒性条件下におけるPM2.5および DEPsの免疫機能への影響を解析しました。その結果、これらの微小粒子が樹状細胞内に蓄積することで、抗ウイルス防御機能が低下することを明らかにしました。本成果は、細胞死を伴わない低濃度曝露でも、免疫防御が阻害される可能性を示すものであり、大気汚染がもたらす健康リスクの新たな理解につながる重要な知見です。

【論文の題名】
Sub-Toxic Exposure to DEPs and PM₂.₅ Impairs Dendritic Cell Function Through Intracellular Particle Accumulation(DEPsおよびPM₂.₅の亜毒性曝露は細胞内粒子蓄積を介して樹状細胞機能を損なう)

【著者】
Yuki Nakahira, Daisuke Otomo, Tomoaki Okuda, Akira Onodera

【掲載誌】
Journal of Xenobiotics(生体異物ジャーナル), Volume 15, Issue 5 (October 2025), Article 142
論文(英文)のURLはこちら