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神戸学院大学

薬学部

薬学部の橋田教授による土曜公開講座「薬と正しく付き合って健康を手にいれる」を開催しました

2023/11/15

薬学部の橋田亨教授
薬学部の橋田亨教授
講義の様子
講義の様子

11月11日ポートアイランド第1キャンパスで薬学部の橋田亨教授による「薬と正しく付き合って健康を手にいれる」を開催し、111人が参加しました。

今秋の土曜公開講座は第86回となり、前半は現代社会学部の教員、後半は薬学部の教員が各研究分野を「私たちのくらしと文化」という統一テーマに基づき、全6回の講義を行います。今回は第4回目の講義となりました。

はじめに薬剤についての説明として、薬剤・医薬品(medication)と薬(drug)の違いを示した上で、医薬品の開発・研究から販売までの過程や変遷を紹介しました。

次に、体の中での薬の動きについて「経口での内服・目への点眼・皮膚への貼付などさまざまな投与経路があり、経路によって薬の届く場所が変わります。注射についても静脈注射や筋肉注射など、深さによって薬物の血中濃度が異なります。指示通りに服用しなければ薬物血中濃度が危険な範囲におよび、副作用が出る可能性もあります。また、処方薬と一般薬の飲み合わせや、薬を飲む際の飲み物によっては、効果が強く出すぎたり、副作用が現れやすくなります」と話しました。

続いて、薬と薬剤師の歴史について「薬の配合は2世紀頃、医師と薬剤師の分業は13世紀にともにヨーロッパで始まりました。日本に医薬分業が浸透したのは19世紀、明治時代前半になります。当時、医療制度が最も進んでいたドイツの医師が中心となり薬学教育の整備を行いました。医師と薬剤師は手段は違えど、国民の健康な生活を確保するという共通の目的を持っています。現在の調剤については薬剤を交付するだけでなく、その後の経過観察や結果確認をフォローアップをする形に変わってきています」と紹介しました。

また、講義の終盤では神戸市立医療センター中央市民病院の取り組みについても紹介しました。

受講者からは「何気なく飲んでいた薬の経路が分かった」「薬剤師の重要性が強く認識された」など多くの感想が寄せられました。

次回は、11月18日に薬学部の辻本貴江准教授による「正しい知識でフレイル予防-薬学と栄養学の視点から-」です。