栄養学部臨床検査学専攻の和田教授と株式会社フクダ産業が共同開発した呼吸機能検査シミュレーターの特許が承認されました
2026/04/23
栄養学部臨床検査学専攻の和田晋一教授と株式会社フクダ産業(本社・千葉県流山市)が共同開発した呼吸機能検査シミュレーターが、2026年2月19日付で特許第7822010号として登録されました。本機器は安全性と教育効果を両立した新しい呼吸機能検査実習用シミュレーターで、臨床検査技師養成教育への活用が期待されます。
【開発の背景】
呼吸機能検査のうち、肺活量などのスクリーニング検査に用いられるスパイロメータは比較的簡便で安価ですが、肺気腫や喘息などの病態評価に用いられる精密呼吸機能検査機器は大型で高価です。これらの検査は臨床検査技師国家試験にも出題される重要な検査領域であり、臨床検査技師を目指す学生にとって十分な理解が求められます。
しかし、精密呼吸機能検査ではヘリウムガスや一酸化炭素ガスなどの特殊ガスを使用するため、安全管理や機器維持の面で導入のハードルが高く、実習環境の整備が難しいという課題がありました。その結果、座学中心の学修にとどまる場合も少なくありませんでした。
こうした教育上の課題を解決するため、和田教授は安全かつ簡便に取り扱うことができる実習用機器の開発に取り組み、医療機器メーカーであるフクダ産業との共同研究により本シミュレーターを開発しました。
【本機器の特徴(新規性)】
精密呼吸機能検査は、一般に特殊ガスを吸入させ、その濃度変化を測定することで肺機能を多角的に評価する検査です。本機器では、安全性の観点から特殊ガスを使用せず、その濃度変化を模擬データとして表示する仕組みを採用しています。
さらに本機器は、単に模擬データを表示するだけでなく、肺活量や呼吸速度などの実測値をもとにガス濃度変化をシミュレーションする点に特徴があります。これにより被験者ごとに異なる検査結果が得られ、より実践的でリアリティの高い実習が可能となります。
【教育効果】
現在、本機器を用いた学生実習を実施しており、検査機器の操作方法だけでなく、正確な測定手技や患者への声かけなど、実践的な検査スキルの修得に大きな効果が確認されています。
また、臨床検査技師国家試験に出題される測定原理の理解も深まり、実体験を通じて座学で学修した知識の定着が促進されることが期待されています。
【今後の展望】
今後はフクダ産業と共同で製品化を進め、臨床検査技師養成課程を有する他大学においても実習機器として広く活用されることを目指しています。


