神戸学院大学

法学部

法学部主催の「第25回神戸学院大学法学部法律討論会」を開催しました

2025/12/17

学内外から5団体が参加した「第25回神戸学院大学法学部法律討論会」
学内外から5団体が参加した「第25回神戸学院大学法学部法律討論会」
問題に対して参加団体の討論代表者が立論(解答)を発表
問題に対して参加団体の討論代表者が立論(解答)を発表
討論代表者に質問する参加団体の学生
討論代表者に質問する参加団体の学生
出題者の立命館大学・本山敦教授による講評
出題者の立命館大学・本山敦教授による講評
立論の部第1位となり、表彰を受ける金沢大学の隅谷ゼミ生
立論の部第1位となり、表彰を受ける金沢大学の隅谷ゼミ生
閉会のあいさつをする金沢大学の隅谷准教授(本学法学部の卒業生)
閉会のあいさつをする金沢大学の隅谷准教授(本学法学部の卒業生)

法学部主催の「第25回神戸学院大学法学部法律討論会」を11月29日、ポートアイランド第1キャンパスで開催しました。

出題者(兼審査委員長)は、立命館大学法学部の本山敦教授が務めました。参加したのは、本学法学部の3ゼミナール(小松昭人教授ゼミ、笹川明道教授ゼミ、廣峰正子教授ゼミ)と、学外ゲストチームの摂南大学法学部・城内明教授ゼミ、今回初参加の金沢大学人間社会学域法学類・隅谷史人准教授ゼミの計5団体でした。問題の事実関係は、以下の内容でした。

   ■   ■   ■
母親Bが、自宅マンションを長女Dにだけ相続させる旨の遺言を作成して亡くなりました。金に困っていた長男Cは、Bの死後、遺言の存在を知りましたが、遺言書が密封されていたため、その内容までは分からないまま、自宅マンションについて自分にも法定相続分(2分の1)だけ権利があると考えました。そこで、Cは、Dに無断でその権利を自己の名義に登記し、さらにその権利を不動産業者Yに格安の値段で売却、Yの名義に登記してしまいました。

その後、Bの友人でその遺言執行者となった司法書士Xは、家庭裁判所の手続きにより密封状態で保管していたBの遺言を開封し、そこで初めてBの遺言の内容を知りました。Xは、Bの遺言執行者としてその遺言を実現するため、自宅マンションをDの名義に登記しようとしましたが、すでに自宅マンションの2分の1の権利がYの名義で登記されていることが分かりました。
   ■   ■   ■

今回の問題のテーマは、Xは、Bの遺言を実現するため、Cから自宅マンションの2分の1の権利を買った不動産業者Yに対して、どのような請求をすることができるのか、そして、その請求は認められるのか、というものでした。

参加団体ごとに立論の結論も理由づけも異なっており、そこに各参加団体の個性と努力がよく現れていました。

審査の結果、立論の部では、第1位が金沢大学人間社会学域法学類の隅谷ゼミ、第2位が本学法学部の小松昭人ゼミとなりました。また、質問の部では、第1位が洪佳晃さん(本学法学部法律学科2年次生、小松昭人ゼミ)、第2位が山田葵さん(金沢大学人間社会学域法学類3年次生、隅谷ゼミ)、第3位が岩原晴未さん(同)となり、それぞれ表彰を受けました。

小松昭人教授は「今回の問題も、とても難しいものでした。確かに、今回のようなケースに対処する規定が最近の民法改正で新たに設けられましたが、裁判例や学説が少ないため、学生たちは参考資料がほとんどない状態で問題に取り組まなくてはならなかったからです。しかし、学生たちは迷い悩みながらギリギリまで考え抜いて準備をしました。そのかいあって、当日の質疑応答は大変活発でした。また、今回の討論会で特筆すべきは、金沢大学・隅谷史人ゼミの初参加です。本学法学部の卒業生である隅谷先生は、本討論会が始まって間もない頃に学生として討論会でご活躍されました。そして今回、ご担当のゼミにご参加いただき、大変優秀な成績を収められました。二十数年前に本討論会を始めた者としては、大変感慨深いです。隅谷ゼミの参加により、本討論会が今後さらに発展していくことを願っています」と話しています。