神戸学院大学

法学部

角森正雄教授が神戸鈴蘭台高等学校の生徒に模擬裁判の講座を行いました

2022/03/15

事前練習の様子
事前練習の様子
証人の宣誓の様子
証人の宣誓の様子
証人尋問の様子
証人尋問の様子

3月4日、兵庫県立神戸鈴蘭台高等学校との高大連携事業(総合的な探究の時間)で、法学部の角森正雄教授が、高校生28人にポートアイランド第1キャンパスの法廷教室で模擬裁判の講座を行いました。

当日の模擬裁判は、2007年に愛知県で起こった事故をモデルにしたもので、認知症を患った老人がJR東海道線の線路内に立ち入り、車両と衝突して事故を引き起こし、鉄道会社が老人の家族に損害賠償を求めた裁判です。生徒たちが使用した主張証拠等は、2019年に角森ゼミの学生が名古屋地方裁判所で実際の裁判資料を閲覧して作成したものを参考にしていますが、その中でどの証拠を使用するかは原告と被告の弁護士役の生徒たちが選択し、また、生徒たち独自の主張も含まれています。

生徒たちは、角森教授の指導のもと、1年間この事件をもとに法律と裁判について学んできました。当日の模擬裁判の一部は脚本に基づいて進行しましたが、弁護士の質問や証人の証言のやりとりのなかでは、生徒たちの本番当日のアドリブも飛び交っていました。

本格的な法廷教室の中で緊張した様子の生徒たちも、徐々に慣れていき、それぞれの立場で堂々と発言していました。とりわけ最終弁論は自らの考えに基づく見事な内容でした。判決言い渡しの前に評議した裁判官役の生徒たちは、原告被告それぞれに責任があるという点では意見が一致したものの、その過失の割合については、「原告被告それぞれに過失があるためそれぞれ5割ではどうか」「JR側は客を守る責任があるから被告の過失が多いのではないか」等さまざまな意見があり、熱い議論が繰り広げられました。

15時過ぎに開廷した模擬裁判は、活発な証人尋問と真摯な裁判官の評議を経て、原告(JR側)は4割、被告(老人の家族)は6割の責任を負うという、家族の責任を重く判断した判決言い渡しで17時に終結しました。