神戸学院大学

法学部

法学部の春日ゼミが模擬裁判の授業を実施 附属高校生が見学しました

2022/01/25

傍聴席で高校生が見守る中、法廷教室で実施された模擬裁判
傍聴席で高校生が見守る中、法廷教室で実施された模擬裁判
春日教授から模擬裁判の筋書きなどについて説明を聴く神戸学院大学附属高校生ら
春日教授から模擬裁判の筋書きなどについて説明を聴く神戸学院大学附属高校生ら
全員で記念撮影する春日ゼミ
全員で記念撮影する春日ゼミ

法学部の春日勉教授の3年次ゼミ生らが1月18日、ポートアイランド第1キャンパスの法廷教室で模擬裁判を行い、4月に入学して法学部に在籍する予定の神戸学院大学附属高等学校3年生約30人がスクーリングで傍聴席から見学しました。

■学生が事件を起案・筋書きを考え、「法廷」ですべての役割を演じました
「これは事件か、それとも事故か?」と題し、ゼミ生が模擬裁判の事件を起案・筋書きを考えました。裁判員裁判の想定で、裁判員から裁判長、被告人、検察官、弁護人、証人まで、すべて学生が演じました。

想定によると被告人(43歳)は、元は真面目なサラリーマンでしたが、コロナ禍が原因で会社をリストラされ、2年前からホームレスとして公園で寝泊まりする日々を過ごしています。公園の近くでコンビニエンスストアを経営する被害者(65歳)が「天涯孤独で身寄りがない」と聞いて同情していたのに、うそと分かり、怒って公園に向かいます。起訴状や検察側の冒頭陳述によると、被告は被害者の顔をなぐって転倒させ、縁石で頭をぶつけて脳挫傷で死亡させたとなっています。

一方、被告は被害者がつかみかかってきたのを振り払おうとして、顔面にひじが当たり、被害者が仰向けに倒れたと主張し、事故だったと真っ向から反論します。

■裁判員の評決で注目の判決に
被告人質問、証人質問など、実際の裁判と同じように進行して検察側、弁護側が主張を戦わせ、裁判員の多数決で評決に至るところまでを実演して見せました。審理が終わって判決を言い渡すために裁判員が別室で話し合う評議の模様は、録画した動画を模擬法廷のスクリーンで見てもらいました。

春日教授は開廷前に模擬裁判を通じて学生が学ぶ意義について、「自分の頭の中で整理して考える論理力、本質を見抜く洞察力、相手に理解してもらうための表現力、相手の発言の矛盾を見抜く批判的思考力などを身に着けることができます。効果的な尋問法も研究して実践するなど、まさにアクティブ・ラーニング と言えます」と語りました。裁判のシナリオの概略も高校生に説明し、書記官席で進行を助けました。

注目の評決は全員一致で「被告人は無罪」となりました。「疑わしきは被告人の利益に」という刑事裁判の原則が貫かれました。