人文学部の中山ゼミ生が明石市の稲爪神社でリーディング公演『かもめ――ニーナの夢』を実施しました
2025/08/06







人文学部・中山文教授の3年次ゼミ生が7月27日、明石市の稲爪神社でリーディング公演『かもめ――ニーナの夢』(大蔵谷ヒューマンサイエンスカフェ2025)を実施しました。
ゼミ活動の一環として実施したものです。使用した台本は、本学の伊藤茂名誉教授がチェーホフの名作『かもめ』を、登場人物の「ニーナ」に焦点を当ててリライトしたものです。この台本を元に、演出家の小原延之氏(本学非常勤講師)の指導を受けた学生たちが、演出や音響などの裏方作業を全て自分たちで担当して舞台を作り上げました。舞台は4幕構成で、前半の2幕は3人の学生、後半の2幕は1人の学生が演出を担当しました。
学生や教員、卒業生など本学関係者に加えて地域の皆さんも多数参加していただき、会場は超満員の盛況となりました。
公演に先立ち、人文学部の長谷川弘基教授によるレクチャーが行われました。チェーホフ愛にあふれた長谷川教授の解説のおかげで、チェーホフの人生や彼の文学の魅力、「世界文学」である『かもめ』の演劇史上の意義や見どころなどを理解したうえで観劇することができました。
一つの役を複数の学生が交替して演じる形での上演でしたが、演技や衣装の工夫などのおかげで混乱なく終えることができました。BGMとしてクラリネットの演奏がムードを高め、舞台初体験の学生たちも約45分の公演を堂々と演じきり、終演時には会場から温かい拍手が送られました。
舞台上演後は、プロデューサーを担当した学生が司会を務めるアフタートークを実施しました。演出を担当した4人の学生が登壇し、上演後の感想や演出上の苦労などを語りました。また会場からの質問に答えて、台本の解釈について説明しました。
アフタートークで、長谷川教授からの「3幕のニーナはまだトリゴーリンが好きなのか?」との質問を受けて、ニーナを演じた4人の学生が登壇しました。4人のニーナがそれぞれに語る回答から、「彼女たちが作品を自分なりの視点から消化し、深く理解した上で演じたことが伝わりました」との声が聞かれました。
「満員の観客席を前に演じきった経験や、地域の方々から温かいコメントをいただいたことが、学生のさらなる成長の糧になることを祈ります」と、人文学部の教員らは話しています。