神戸学院大学

人文学部

人文学部の中村健史准教授が「能『巴』を楽しむために-うたってみよう、触ってみよう、能の世界-」を開催しました

2022/10/10

能『巴』の物語を解説する中村准教授
能『巴』の物語を解説する中村准教授
歌いながら目の前での舞を堪能しました
歌いながら目の前での舞を堪能しました
能面の目の穴は小さく視野がかなり狭くなります
能面の目の穴は小さく視野がかなり狭くなります

人文学部の中村健史准教授が、10月8日に有瀬キャンパスで、体験型公開講座「能『巴』を楽しむために -うたってみよう、触ってみよう、能の世界-」を開催しました。

本講座は11月12日公演予定の神戸学院大学Green Festival「能『巴』を観る会」の事前講座として開催し、当日は19人が参加しました。

まず巴という人物について中村准教授が説明しました。巴は木曾義仲の愛人の女武者です。彼女は武勇に優れ、義仲にしたがって戦場で武功を立てていました。義仲が粟津(滋賀県大津市)で討たれる最期の時までつき従い、彼によって戦場から逃がされたとされています。しかしその生涯は謎が多く、本当に実在したのかも分からないとも言われています。

次に能『巴』の内容について解説しました。
義仲の死後数百年後、旅の僧侶が粟津にやってくると、神社で涙を流している里の女(巴)がおり、「これは義仲の霊をまつった神社。自分は亡霊なので弔ってほしい」と言い残して消えてしまいます。僧侶が供養をしていると再び巴の亡霊が現れ、義仲の最期を語り、自身の勇壮に戦った様子を再現します。そして「愛する人と死ぬことができなかった執着で成仏できていないので供養してほしい」と頼んでいつのまにか姿を消してしまうという物語です。

このように能には、何かの事件が起こっている瞬間でなく、事件が終わった後に亡霊が出てその様子を再現するという話も多く、『巴』もその一つです。

最後に上手く歌うコツを学びながら何度も練習し、実際に歌ってみました。そして参加者の歌に合わせて中村准教授が舞を披露しました。

本講座はGreen Festival「能『巴』を観る会」をより一層楽しむことができる事前講座になりました。

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