人文学部の大原ゼミと鈴木ゼミが実務家による「第三者介入」に関する特別講義を開催しました
2025/07/28
人文学部の大原良通教授と鈴木遥講師の1年次ゼミ生が7月16日、前期の「人文入門演習」の授業で、ゼミが実務家による「第三者介入」についての特別講義を合同で開催しました。
演題は、「やってみよう!ノートテイクと“第三者介入”」。講師は、ジェンダー平等などに関する政策提言や普及啓発などを行っている「一般社団法人あすには」で教育研修チームリーダーを務める田中めぐみ氏でした。「人文入門演習」では、大学での学びと大学生活における基礎的知識や技術、マナーなどを学んでいます。特別講義は、特に「ノートテイキング」と「ハラスメント」について理解を深めることを目的に実施しました。
「自分の感情を知り、大切にし、自分の安全を第一にしながらハラスメントに対し勇気をもって対応する」ことの大切さを受講生は学びました。内容は、主に、「グラフィックレコーディングを活用したノートテイク」「アサーション」「自分と他者の境界線」「第三者介入」の4点でした。話の合間に、ノートテイクの練習や受講生間での意見交換の時間が設けられました。
「グラフィックレコーディングを活用したノートテイク」では、文字だけでなく、絵を使って聞いた話を要約したり、その時の自身の感情を記録したりする技術を学びました。丸や四角など単純な形だけでさまざまなものや概念を描けることを学び、受講生たちは思い思いに絵を描いてみました。また「感情を記録することは時として自身が置かれている社会環境に自分が不満を抱いていることなどを自覚することにつながる」と、田中氏は自身の経験を交えながら伝えました。
「アサーション」では、自身の感情を大切にし、かつ相手も尊重しながらお互いの関係を築くという考え方を学びました。このことは、「自分と他者の境界線」にも深く関わります。「自分と他者を分ける境界線は1本ではなく、自分の価値観と相手の価値観の2本である。自分の価値観で相手を判断しそれに基づいて相手を非難することが境界線の侵害となり、ハラスメントへと発展する可能性がある」との警告です。続いて示された友人間での遊びの約束に関する事例について受講生同士で意見交換を行い、身近な問題として学ぶことができました。
最後に、「第三者介入」について、ハラスメントが疑われる場面に遭遇した時に第三者としてどのようなことができるかを学びました。問題の行為に対し直接的に注意する方法だけでなく、気をそらすような行動をするなど、その場の流れを変える方法があることなどを学びました。田中氏は、「大切なことは自分の安全を第一にして、第三者として問題に対応すること」だと受講生に伝えました。
本講演会は、ノートテイキングやグループディスカッションなど、「人文入門演習」における半年間の学びの振り返りにもなりました。