人文学部
人文学部の松村淳講師が日本建築学会著作賞を受賞しました
2025/06/17
人文学部の松村淳講師が出版した著書『建築家として生きる―職業としての建築家の社会学』(晃洋書房)が、2025年度日本建築学会著作賞を受賞しました。
授賞式は5月30日、東京都港区の建築会館にて行われ、松村講師には賞状と盾が授与されました。盾はアクリル製で、本の形を模したデザインに著者名と書名が刻まれています。
本賞は、日本建築学会の会員が執筆した建築に関連する著作のうち、学術・技術・芸術の進歩や、建築文化の社会への普及・啓発に顕著に貢献した優れた業績に贈られるものです。
受賞作は、社会学を専門とする松村講師が、質的調査に基づいて収集したデータをブルデュー派文化社会学の視点から分析した博士論文を基にしています。本書では、戦後から現代に至る日本の「建築家」という職能を、労働社会学・専門職研究・文化社会学の視点と手法によって検討し、その特質を明らかにしました。こうしたアプローチにより、日本における建築家の職能や職域に対する新たな考察を提示し、今後の展望を社会学の観点から示した点が高く評価されました。
なお、本書は2022年度の日本労働社会学会奨励賞も受賞しており、社会学と建築学という二つの分野から評価を受けた著作となりました。
松村講師は社会学を専門とする一方で、建築デザインを学び、設計実務にも携わった経験を有しています。そうしたバックグラウンドを生かし、現在は建築と社会学を架橋する「建築社会学」の創設を目指して、研究・教育活動に取り組んでいます。