神戸学院大学

人文学部

人文学部の川上教授が兵庫県立兵庫津ミュージアムで山陰海岸ユネスコ世界ジオパークについて講演しました

2025/05/26

川上教授の講演を聴く参加者ら
川上教授の講演を聴く参加者ら
講演する川上教授
講演する川上教授
開催中の展覧会の案内が掲示されている兵庫県立兵庫津ミュージアムの出入口
開催中の展覧会の案内が掲示されている兵庫県立兵庫津ミュージアムの出入口

人文学部の川上靖教授が5月25日、神戸市兵庫区の兵庫県立兵庫津ミュージアムで開催中の展覧会「地球時間の旅-山陰海岸ジオパークへ行こう―」の関連イベントとして講演会を行いました。

演題は「山陰海岸ジオパークの生きものは、ここがすごい、ここがうまい。~地理的分化する動植物と日本海固有水の魚介類~」。川上教授はメダカやニホンザルなどの多くの生物は西日本と東日本で遺伝的に分化していることをまず伝えました。

「ここがすごい」の一例として、日本のメダカはキタノメダカとミナミメダカに分けられますが、そのハイブリッド(雑種)が兵庫県に生息していることを紹介しました。

また、尾角の形状などで分類されるフキバッタという昆虫は加古川と由良川が分布境界になっていることや、日本が大陸から分かれたことで誕生した日本海は冷たいプールのような「日本海固有水」で満たされており、その表層を「対馬暖流」が流れているため、寒海性と暖海性の両方の魚介類に恵まれていることなどを紹介しました。

「ここがうまい」は日本海固有水ではズワイガニ、対馬暖流ではアゴ(トビウオ)などを挙げました。

また、「おまけ」もあって、「山陰海岸の漂着物もすごい」として、リュウグウのツカイ、マンボウ、アカウミガメを取り上げました。

約70人の参加者はメモを取るなど熱心に耳を傾け、山陰海岸ジオパークの新たな魅力を地形や景観に加えて、生物の側面から発見してもらうことができました。講演終了後には、山陰海岸ジオパークへの行き方から、美味しい日本海の幸の食べられる店など、幅広い分野で質問が相次ぎました。

山陰海岸ユネスコ世界ジオパークは、兵庫県(豊岡市、香美町、新温泉町)、京都府京丹後市、鳥取県(岩美町、鳥取市北部)にまたがる公園で、大地の遺産を保全し、ジオツーリズムや教育・研究への活用、地域社会への貢献などを目的としています。展覧会は兵庫県立兵庫津ミュージアムで6月22日(日)まで開催されています。