人文学部の斎木植物コレクションの価値について専門家から評価・指導を受けました
2021/11/26
本学では、斎木植物コレクションと呼ぶ「さく葉標本」(いわゆる押し花)約2万点、植物生態写真約1万点を、人文学部長室前の「斎木植物標本室」で保管しています。人文学部は11月18日、植物分類学が専門で日本の植物標本事情に詳しい兵庫県立人と自然の博物館の高野温子主任研究員から同コレクションについて学術的な評価と今後の保管や活用の在り方について、指導を受けました。
コレクションは斎木保久・薬学部名誉教授(故人)による国内外での収集活動の成果で、野生生物資源の利用研究のため故・斎木名誉教授と共同研究を行っていた人文学部人類学グループが引き継ぎ、寺嶋秀明名誉教授、早木仁成教授らが中心になって整理・保管してきました。
標本の学術的価値と今後の保存方法について、専門家から指導を受け、博物館学芸員課程において植物標本の収集・整理・保管を学ぶ素材としての活用も検討するため、寺嶋名誉教授・早木教授に加えて学芸員養成課程の用田政晴教授を交えて検討することになりました。
高野主任研究員によると、斎木植物コレクションは、世界各地で採集されたもので保存状態もよく、同定も正確で標本としての整理が完了して画像データも伴うデータベースとして公開されるなど、理想的なものとの評価でした。学界ではその存在がほとんど知られておらず、特にシダ類については、日本産シダ類の8割にあたる467種と海外産シダ1600種余りを含む充実したコレクションであり、学生指導に向けた典型的な標本類もまとめて保管されていました。
標本が人文学部にあることから、博物館学芸員養成課程での見学・実習や共通教育科目での生物多様性関連科目での利用、さらに同じ有瀬キャンパスにある薬草園も併せて、本学が誇る標本・施設の一つとして大学博物館の構想などを見据えて専門家を配置しながら、広く展示その他資料的価値の公表を図っていく活用の重要性を指摘されました。