神戸学院大学

人文学部

人文学部の鈴木ゼミが神戸・新長田で地域理解を深めるフィールドワークを行いました

2023/05/16

フィールドワークで新長田地区について学ぶ学生ら
フィールドワークで新長田地区について学ぶ学生ら
伊東さんから震災当時の状況について聴く学生ら
伊東さんから震災当時の状況について聴く学生ら
正岡さんから活動の歩みについて聴く学生ら
正岡さんから活動の歩みについて聴く学生ら

人文学部の鈴木遥講師の2年次ゼミ生が5月14日、神戸・新長田で歴史、震災、まちづくりへの理解を深めるフィールドワークを行いました。鈴木講師の引率で、ゼミ生16人、有志学生3人、アドバイザー役の森栗茂一教授を含む計21人が参加しました。

一行はまず、阪神・淡路大震災(1995年)の被害が大きかった商店街の一つである大正筋商店街を散策し、震災の展示を見学しました。新長田生まれで、震災直後から復興活動、まちづくりに長年携わってきた森栗教授が、まちの歴史や震災当時の様子について説明し、学生たちは熱心に耳を傾けました。

散策後、地域住民の方2人から話を聞きました。1人目は、大正筋商店街で日本茶の販売店を営む伊東正和さんです。伊東さんは、震災後、商店街を中心としたまちの復興に尽力されました。震災後の火事で焼失した商店街の建物の写真などを見せてもらい、焼け跡で日本茶を販売したことや、仮設の店舗を建て、さまざまなイベントを実施することで地域の方々を鼓舞しながら商売を続けたことなどを語っていただきました。「災害が起こった時に自分の周りにいる人を助けられるような人になってほしい。そのために、日々目標をもってしっかり過ごしてほしい」と学生たちにエールを送ってくれました。

2人目は、音楽を通したまちづくりを長年続けてこられた、ほたる火コンサート協会代表の正岡健二さんです。正岡さんは、音楽家が表現する場、そして地域の皆さんが上質な音楽に触れる場として、無料のコンサートなどを企画し続けています。地域の方々に関心をもってもらうために、多様なジャンルの音楽を演奏する工夫をしてきたことなどを語っていただきました。特に、コンサートを地域独自の文化としていかに醸成できるか常に考えてイベントを企画してきたこと、そのために地域の仲間との協働や、異分野との「融合」を大切にしてきたことを語っていただきました。また、「地域を担う次世代の子どもたちが音楽を聴いて感動する機会を大人がきちんと用意してあげることが大切だ」との呼びかけもありました。学生たちから多くの質問が出て、お2人に丁寧に答えていただきました。

鈴木講師は「地域の方の語りからは、新長田への愛着と地域を守る覚悟が伝わってきました。また、多くの人々が協働する中で、世代を超えて地域の文化が繋がれてきたことを理解することができました」と話しています。