神戸学院大学

経営学部

経営学部の授業で大阪・関西万博スイス館で儀典担当を務めた相川真喜子さんが特別講義しました

2026/01/28

特別講義する相川さん
特別講義する相川さん
パワーポイントの画面で説明する相川さん(左)と司会の辻幸恵教授
パワーポイントの画面で説明する相川さん(左)と司会の辻幸恵教授
相川さんの講義の途中で積極的に発言する辻ゼミ生ら
相川さんの講義の途中で積極的に発言する辻ゼミ生ら
講義を前に経営学部長室で学部長の辻幸恵教授(右)と懇談する相川さん(中央)
講義を前に経営学部長室で学部長の辻幸恵教授(右)と懇談する相川さん(中央)

経営学部の辻幸恵教授の2年次生の授業で1月16日、大阪・関西万博スイスパビリオンで儀典担当を務めた相川真喜子さんが「国際社会で生き抜くための基礎力――多文化環境下に生存戦略とコミュニケーション術」と題して特別講義し、豊富な海外経験から学生に国際社会を生き抜く方法を伝えてくれました。

相川さんは結婚後にスイスに移住して大学院で経営学を研究しました。その後、米国・ボストンや中国・上海などでも生活し、不動産業などのビジネスを続けてきたことを自己紹介で語りました。10代から趣味の茶道に親しみ、「茶文化を世界に伝える」ことがライフワークだとも述べました。

盛況だった大阪・関西万博は「150カ国以上の人が集い、夢洲の地で“世界旅行”ができる意義深いイベントだった」と振り返りました。自身の役割としては、人気のスイス館を訪れる要人をはじめ、小学生の見学グループ、大学のゼミ生らの接遇のほか、会場内でのツアーの企画と案内など多岐にわたっていました。

これからの日本は人口減による市場の縮小で外国人の労働者が増えるとされ、外国人と仕事をする機会が増えることが想定できます。学生がキャリアを考えるにあたり、「海外で生活や仕事がしたい。日本にいながら周りの外国人とうまく仕事をしていきたい」と考えるなら海外で通じる人材となるための教育を受ける必要があると相川さんは述べました。語学力を磨くには海外留学のほかに海外メッセなど海外がらみのイベントでアルバイトをする方法を薦めました。

さらに自らの長い外国暮らしの経験を踏まえて「グローバルに活躍するためには日本を知ることが大切で、まずは好きなもの、得意なことから始めれば良い。迷ったら、武道や茶道、華道など〇〇道とつくものをやってみることです。海外には日本文化に詳しい人がいて日本料理などは好まれています。それらを身近に学べる日本にいることは皆さんにとってチャンスなのです」と学生に呼びかけました。

「自分軸の作り方」という話では、自分自身の価値観に加えて世界共通のユニバーサルな価値観や哲学観、日本人としての共通の価値観、育った環境や家庭から培った価値観が加わり、経験値から修正される要素によって形成されていくことを伝えました。

具体例として、スイス・チューリヒの空港で散乱したカートを少し整理したら、係の人にすごく感謝された経験も興味深い事例でした。「散乱しているカートを片付けるのは利用者として自然なこと」という日本では一般的な価値観に対し、スイスなどでは「片付けるのは係の役割」と考えられており、ここでも価値観の多様さを改めて教えられたといいます。

後半は質疑応答となり、学生からは「コミュニケーション術で大切なことは?」との質問が出ました。相川さんは、「言語と言語以外のコミュニケーションがあります。万博のスイス館ではミャクミャクもハイジもしゃべれないので動作でコミュニケーションしていました。好きなものを教え合うとか一緒に歌うとか、(気持ちを伝えるには)いろいろな方法があります。日本語では言語以外の『気』という考え方があります。日本語は主語や目的語がなくても成り立つことが多いのです。意思を伝え合うには高い想像力や共感力、多面的なモノの見方などが必要です」と答えました。

別の学生は「違う国の新しい環境に慣れるコツとか工夫がありますか」と質問しました。相川さんは「友だちを作り、何かのコミュニティーに属し、目的を持つことです。私はテニスや茶道を楽しんでいました。上海ではプロの寿司職人をお呼びして巻き寿司の作り方の指導をしてもらう会をやりました」と答えました。さらに「皆さんは卒業までに何かのコミュニティーに入ってみては。アルバイトをしてお金をためて1週間ぐらい外国に旅行してみてもいいです」とアドバイスをいただきました。