産学連携で経営学部・石賀ゼミが企画した地元酒蔵の酒粕を使った新作チーズケーキが完成しました
2026/07/27
経営学部の石賀和義教授の3年次生ゼミ生が企画し、浜福鶴吟醸工房(神戸市灘区)、パティスリー(洋菓子店)カッサレード(神戸市灘区)と連携して作った新作チーズケーキが完成しました。7月14日に、カッサレード本店においてゼミ生による試食会が行われました。7月23 日には、酒粕を提供している張海潮さんも新作チーズケーキを試食、舌鼓を打ちました。
■新作の味の秘密とは
カッサレードのオーナーシェフ、大西秀輝氏によると「今回の新作チーズケーキは、浜福鶴の酒粕を使い、レアチーズケーキの香り付けに同工房の純米吟醸・七つ梅を使用しました。浜福鶴の酒粕は、風味が優しくて食べやすく、ケーキの味や風味とのバランスを取りながら酒粕の量を調整して、絶妙な感じに仕上げました。レアチーズケーキは日本酒の風味が感じられ、ベイクドチーズケーキはまろやかに仕上がっています」。七つ梅を選んだ理由については「浜福鶴が販売している日本酒を全て試飲したなかで、七つ梅のやわらかさや味わいに感銘を覚えたうえ、その歴史的なストーリーが印象深かったからです」と語りました。
■「イベントでも」と前向き
浜福鶴の張さん「当工房の酒粕と七つ梅を使って、このようなチーズケーキを作っていただき、感謝いたします。酒粕の風味が強くないので、お酒が飲めない人の好みに合いそうですね。レアチーズケーキは口どけがよくてスイーツ好きにはたまらない味でしょうし、ベイクドチーズケーキは大人の味覚が感じられます。非常に美味しいケーキですので、当工房の店舗で販売するだけでなく、いろいろなイベントで売り込んでいきたい」。
■「いろいろな人に食べてもらいたい」とゼミ生
4カ月にわたり、日本酒の文化を広める活動に取りくんできたゼミ生からは、「自分たちが企画した新作ケーキができあがり、とてもうれしい」「チーズケーキはお酒の風味がしつこくないので、お酒を飲まない若者にもうってつけだと感じました」「酒粕が入ったおかげでチーズのくせが抜け、チーズケーキが不得意な人にも食べやすくなっています」「あまりにおいしいので、いろいろな人に食べてもらいたい」と笑顔で語りました。最後に、石賀教授は「お酒の文化を若者に広めたいというゼミ生の想(おも)いが、ついに実を結びました。地域活性化に弾みがつく好循環に繋げていきたい」と意気込みを語りました。
■「お酒かお酒でないか」
張さんは「アルコールが1%未満であれば、お酒ではないです。ただし、小学校低学年以下の児童に関しては、飲食は保護者の判断に委ねています」と話しました。大西シェフが計算したところ、「チーズケーキに含まれる酒の量は1%未満である」と分かったため、本品は禁酒区域で食べても大丈夫だと確認できました。
■純米吟醸・七つ梅のストーリー
七ツ梅は、江戸時代中頃に発祥した伊丹の酒銘であり、名前は昔の七ツ時(現在の午前4時頃)に梅の香りが最も立ちのぼることに由来しています。当時は辛口の旨酒で「酒は剣菱・男山・七ツ梅」と言われるほど人気が高く、天保年間には江戸幕府大奥の御膳酒として愛飲され、葛飾北斎の作品に描かれるなど多くの歌人文人に愛されたそうです。しかし、伊丹が寛文元(1661)年に公家の近衛家の天領地になると、幕府の厳しい酒造統制に遭い、灘酒の台頭もあって、蔵元の木綿屋が廃業の道を辿り、七ツ梅は埼玉・深谷の田中藤左衛門商店に受け継がれました。
昭和には、高名な小説家の武者小路実篤にも愛飲され、浜福鶴には「花もよし 味酒もよし 七ツ梅」という詩と梅の花が描かれた実篤直筆の作品が保管されています。その後、三百余年の時を経て、2004年に、発祥の地・伊丹に所縁のある浜福鶴が「七ツ梅」を継承しました。
時代による製法、味の変化について、張さんは次のように語ります。「製法は変えていませんが、その時代の味わいにあわせて、熟成度合いなどを若干変化させています。食中酒のコンセプトにこだわりを持っており、食べ物の趣向に合わせて、少しずつ改良を重ねています」。
