経営学部の齋藤教授の授業で桑原同窓会長が「世界の3大メガトレンド」の演題で特別講義しました
2025/12/01
同窓会の桑原理哲会長(東洋証券株式会社前社長)が11月28日、経営学部の齋藤政彦教授が担当するデータサイエンス専攻3年次生対象の授業で特別講義しました。
桑原会長は法学部を卒業し、1985年に同社に入社、神戸支店に配属されました。営業畑を歩み、社の主要な部門の責任者を経て、2017年から昨年6月まで社長を務めました。金融・証券業界に詳しく、演題は「世界の3大メガトレンド~グローバルな視座・視野・視点」としました。
講義の冒頭では、「どこにリアリティがあるか?」と問いかけました。人は成長するに従って「現実(リアリティ)」は、自分自身から同僚・友人、会社・自社、社会・日本、世界・地球などと同心円状に広がると問いへの答えを示し、「世界はどこへ向かうのか」との問題意識を忘れないことが大事だと述べました。
続いて、世界のこれからの動きを予測することは困難だが、世界人口の構造変化の流れをとらえれば数十年先の未来が見えることを指摘。国連の世界人口予測を基に主要国や地域が2022年を100とした場合に2050年の人口はどうなっているか、学生に考えてもらいました。現在人口世界一のインドは118になることや最も増加率の高いアフリカは192で2倍近くになることを紹介し、人口の増える国や地域は経済成長が見込まれることをビジネス展開においては常に意識すべきことを強調しました。
講義のテーマとした「世界の3大メガトレンド」は人口増加、高齢化、都市集中化だとして、対処するにはITとAIを活用して「スマート社会」を作ることだと述べました。具体例として、証券業界ではデータ分析プラットフォームと顧客のデータを活用してビジネスのターゲットリストを絞り込んでいる流れも紹介しました。
就職活動を見すえた企業の選び方としては、「世界経済の成長力を取り込む企業、成長が見込める市場へ参入する企業」が有望だとし、特に海外にビジネスに活路を探る企業への注目を促しました。さらに株式を上場している企業の場合はインターネットで投資家情報(IR)を見て、「有価証券報告書」の中の「対処すべき課題」を読むように提案しました。具体的には業界トップ3社の「対処すべき課題」を研究して業界の方向性を把握し、同じ課題・方針を持っている中小企業を会社説明会などで探すという手法を紹介しました。「世の中の変化に対応する力がその企業にあるか」など目を向けるべきポイントを挙げました。
就活を控えた学生に対しては、就職は面接の機会を利用して「自分が活躍できる企業を自分で選ぶ」もので「できるだけたくさんの企業の中から自分に合う1社を探し出すために、できるだけ多くの業界や企業を知り、事業内容を調べることが重要」だとアドバイスしました。面接時のポイントとして、面接担当者が聞きたいのは「あなたはどんな人ですか」ということだけで、「ありのまま『自分の言葉』で話をすること」が必要だと述べました。「学生時代は好奇心を大切にしてどんどん行動していけば人間的な魅力も増す」として、「一歩踏み出す行動力を」と最後に呼びかけました。




