経営学部の石賀ゼミが「道の駅はが ブラッシュアップ プロジェクト」で特別講義を実施しました
2026/07/13
経営学部の石賀和義教授の3年次生ゼミが産学連携で実施している授業「道の駅はが ブラッシュアップ プロジェクト」の一環でAIを使った観光開発の専門家2人による特別講義が7月8日、ポートアイランド第1キャンパスで開かれました。
講師は北海道のニセコ(倶知安町ひらふ地区)を世界的なリゾートにした立役者の一人でもある森本商店の森本伸夫店主とゾーホージャパン株式会社ゾーホー事業西日本地域責任者の海老原雅人氏です。道の駅はがのある過疎化と高齢化の進む宍粟市も「第2のニセコ」になってほしいと願って企画しました。開会あいさつはプロジェクトメンバーでもある兵庫県信用保証協会経営支援部伴走支援課の堀口穣課長が担当しました。
まず森本店主が「ニセコ前夜」と題して、地域の成功には継続的な戦略と目指すべき姿が必要であることの事例として、2002年に、ニセコを構成する主要なエリアである倶知安町の観光戦略会議をファシリテート(議論やプロジェクトをスムーズに進め、成功に導くよう舵取りすること)し、その戦略会議のアウトプットの一つとして「くっちゃん観光局」(今で言うDMOの形態)を作ったことを紹介しました。その当時、「ニセコ」の観光客は「多かったがそれほどでもなかった」といいます。そこで森本店主が言葉にしたのは「ルイ・ヴィトンに来てもらいたい」という夢でした。近年になって、香港の不動産投資会社がルイ・ヴィトンを招致し、ニセコは超高級コンドミニアムや別荘が並ぶ世界のリゾートになりました。最後に、「ニセコの成功は、単にパウダースノーがあったからではなく、そこに暮らす人たちの強い意思があったからなのです」と述べました。
観光マーケティングにおけるAIの活用については、「今や検索エンジンで何かを調べてもAIが回答してくる時代。AIに推奨される観光地づくりをしなくてはならない。AIは観光先を提案し、興味喚起するが時々間違える。だからSEO(検索エンジン最適化)を真剣にやらなくてはならない」とアドバイスしました。
次に海老原氏が「ZOHOによる地域支援の取り組み」と題して話し、インドにグローバル本社を置く世界的IT企業「ZOHO(ゾーホー)」と日本各地に設置されたオフィスについて説明しました。同社が普及させているZohoは企業の業務効率向上を支援するクラウド型サービス。「アプリだけで70もあり、それぞれがコネクトする。観光ビジネスでは顧客情報の統合管理ができるのが強みで人事管理や採用にも使える」といいます。廃業した静岡県川根本町の旅館を使ったオフィスでは地域に根付いて関係人口も増やすために72時間耐久マラソンを実施したことなどを紹介しました。
講義を受けて「道の駅はが」を運営する宍粟メイプルの名畑浩一代表取締役社長が「DMO(観光地域づくり法人)はどのようなことに注意して運営すれば良いか」と質問しました。森本店主は「街づくりには20年かかる。補助金で場当たり的にやるのではなく長期的に取り組むことが必要です」と答えました。
名畑社長は続けて、「組織を整えるには会社の理念、目的が大事だと思ってやってきました。ビジョンをしっかり持つことも必要です。AIをしっかり理解して活用していくことが大事だと今日の講義で改めて感じました」と講評しました。
閉会あいさつした石賀教授は「地元に価値を共有する熱い思いを持った人たちがいてデジタル技術でつながり、最後は心からのおもてなしというアナログに戻ると考えています。宍粟市も、IT技術やAIを導入して世界とつながることで、顧客の増加を実現し、パワーアップするはずです」と述べました。
特別講義を聞いた学生たちからは「これからの観光は、どうすればAIに提案してもらえるかを考えることが重要だとわかった」「ZOHOは全てを内製化することで価格を抑えていることが理解できた」「北海道のニセコに、宿泊料300万円のホテルや24億円の別荘があることに驚いた」「ルイ・ヴィトンの誘致に成功したことにびっくりした」などの意見を寄せました。
