経営学部の授業で金融経済教育推進機構の講師が「社会人として知っておきたいお金の話」について特別講義しました
2025/11/10
経営学部の石賀和義教授が担当する「銀行論Ⅱ」の授業で11月7日、金融経済教育推進機構(J-FLEC)の柿原茂講師が「社会人として知っておきたいお金の話」と題して特別講義しました。
柿原講師は都市銀行を退職後に同銀行の関連会社を経て今年6月から同機構の講師として、大学など各地で「生きるための力となるお金の話」を講義しています。都市銀行に就職したのは、学生時代に「金融は経済の血液だ。お金が動くことで経済が活性化する」との話を聞き、銀行の仕事に関心を持ったからだといいます。
冒頭で、経済的に自立し、より良い生活を送るために必要な「お金に関する知識や判断力」である「金融リテラシー」を育むには家計管理や生活設計、資産形成などのための金融経済知識について学び、金融機関の窓口など外部知見の活用も有効だとの話がありました。
生活設計では、結婚、自宅購入など自分が実現したい「ライフイベント」にはいくら費用がかかるかを試算し、収入・支出のバランスを考えた家計管理が大切だと述べました。手取り収入を把握し、その範囲内に支出を収めるというやりくりの基本も再確認しました。支出を見直すポイントは必要なもの・ことや、欲しいもの・やりたいことに優先順位をつけることで、まずは住居費、通信費、サブスクなどの固定費から圧縮し、次に変動費の圧縮を行うこととし、習慣化されたタバコや酒にかかる費用の見直しも効果的だとしました。
お金を「貯める・増やす」という学生にとって関心のある問題については、元本が保証される預貯金と、元本が保証されていない投資に分けて学びました。投資によって社会課題の解決にも貢献できることも指摘され、魅力的な側面に思えました。
次に株式、債券、投資信託の特徴と仕組みについての説明があり、投資のリスクを避けるためには長期間続けること、定期的に一定期間にわたり積み立てること、複数の地域、通貨、特徴の異なる資産を組み合わせて運用する「分散投資」を心がけることが有効だと柿原講師は述べました。NISA(少額投資非課税制度)、iDeCo(個人型確定拠出年金)など税制上のメリットがある制度についても学びました。
また、20歳になったら国民年金の保険料の納付が義務付けられるところ、学生には在学中の保険料の納付が猶予される特例制度があるものの、自ら申請することが必要だということも知っておくべき情報でした。
最後に石賀教授が「銀行などの金融機関に就職を希望する学生もいます。いい金融マン(ウーマン)になるためにはどうすればいいですか」と質問しました。柿原講師は「お金に関しては人から信用されることが大切です。最初は思い描いていた仕事とは違うかもしれませんが、まじめに取り組むことです。私も最初、自転車で顧客の家を1軒ずつ回って集金する仕事をしました。3年続けないと次のステップには進めないと思って頑張りました」と答えました。
学生からは、「金融リテラシーがあると人生が豊かになる」「給与明細の見方や社会保険料の仕組みが印象的だった」「投資にローリスクハイリターンはないことが強く記憶に残った」「リボ払いは、結局多額の支払いになるので、恐ろしいと思った」「闇バイトやポンジスキームなどの金融トラブルは気をつけなければいけない」などの感想が寄せられ、改めて金融に関する知識の重要性を認識した様子でした。



