経営学部・石賀教授の授業で神戸信用金庫による特別講義が開かれました
2025/12/23
経営学部の石賀教授が担当する2年次生対象の授業で12月12日、神戸信用金庫人事部人材開発室の吉原圭吾副長(採用担当)と豊畑聡さんによる特別講義が開かれました。
■業界全体の特徴と自社の強み
前半は信用金庫業界全体と神戸信用金庫の紹介でした。まず信用金庫と銀行との業務の共通点と違いの説明がありました。信用金庫は営業地区が限定され、相互扶助を目的とする非営利組織であり、顧客は大企業ではなく中小企業を専門としていることを学生は理解しました。
「自分たちの地域社会のため、必要な金融機関を作りたい」という地域の人たちの希望に応えて設立されるのが信用金庫で、社員は「お客様のお役に立てている」と実感できて、同じ地域でずっと働ける安心感もあるところがこの業界で働く魅力だといいます。
神戸信用金庫は創立92周年の老舗です。神戸市内の信金では、店舗数は1位、メインバンク調査でも1位に位置しています。採用は総合職と事務職があり、総合職では1年目は預金係を担当して窓口対応を覚え、2年目以降は融資係、営業係に配属されるようです。
特に営業係は顧客の財産運用や融資について各種の提案を行い、お金の問題以外の相談に乗ることもあるとの話でした。
働く環境については社員は男性56%、女性44%の比率で、賃金や休暇、年金の制度についての説明もありました。
■営業提案のワークショップ
後半はワークショップで、仮想の顧客の個別ケースを例として示し、自分が営業担当ならどのような提案をするかをグループごとに学生に考えてもらいました。
事例①【大衆居酒屋のケース】
神戸市垂水区にある40年続く居酒屋で、普通預金、定期預金、定期積金の取引があり、創業者である69歳の社長個人の預金取引もある顧客を設定しました。店は駅前に立地し、旬の食材を使った豊富なメニューは幅広い世代に人気。従業員の給与は現金渡し。前回の営業訪問時に垂水区の不動産資料が社長の机上に置かれていたことを付け加えました。
学生からは「居酒屋は遅くまで営業があり、生活習慣病の恐れもあるので、保険を勧めては」「不動産情報が新店舗のためなら不動産融資、事業融資を勧める」「社長は比較的高齢なので事業承継の相談にも乗れる」などの意見が出ました。最近まで営業担当をしていた豊畑さんからフィードバックがあり、「従業員の給与を口座振込にしてもらい、便利なインターネットバンキングのご利用も提案できます」と述べました。
事例②【菓子製造会社のケース】
明石市にある菓子製造会社を顧客に想定しました。普通預金とインターネットバンキングの取引があります。チョコでコーティングしたナッツ類やドライフルーツなどがSNS映えするとして売れ筋に。若者をターゲットにした新商品の開発に取り組み中。従業員のほとんどが30代の女性。昨年度の決算で多額の利益を計上したため、税金の支払額が予想以上に多く、各金融機関の預金を集めて対応したという事情も加えました。
学生からは「新商品の開発のために事業融資、子どもがおられるなら定期積金を提案する」「税金の支払いのために定期積金を勧める」「食材の仕入れに事業融資を提案する」「若者向け売れ筋商品の開発には事業サポートもできる」などの意見が出ました。豊畑さんからは「事業サポートの中にはビジネスマッチングなどもあります。教育ローンの情報提供もできますね」などと述べました。
■「地元に根付く信頼」学生の感想
講義を受けた学生からは「地元に根付いているからこそ信頼を得ているのだと感じました」「知融(知識を融通すること)によって人々と向き合う仕事なのだと理解できました」「連続休暇や奨学金支援など福利厚生が充実していて魅力的です」「事例の説明は難しかったけれども、多くの発見がありました」「業務内容や働き方の理解を更に深めたいです」などの感想が寄せられました。




