経営学部の石賀ゼミが産学連携「道の駅はが ブラッシュアップ プロジェクト」の企画発表会を実施しました
2025/07/30








経営学部の石賀和義教授の3年次生ゼミが宍粟メイプル株式会社(本部・兵庫県宍粟市波賀町)、兵庫県信用保証協会と連携し「道の駅はが ブラッシュアップ プロジェクト」の企画発表会を7月23日にポートアイランド第1キャンパスで実施しました。
■企業課題解決に学生が多数のアイデア
宍粟メイプルが運営する「道の駅はが」は、宍粟市内の国道29号添いに立地する観光スポットであり、近畿第1号店として1993年にオープンしました。しかし、近年では、鳥取道の開通により国道29号の交通量が急激に減少して、経営が厳しくなっており、その立て直しが急務となっています。このような課題を、大学コンソーシアムひょうご神戸が取り組む「企業課題解決プログラム」の枠組みを利用し、学生の新たな知見により、道の駅の収益力強化を通した地域力活性化を目指し、必要な対応を考えてもらうのがプロジェクトの目的です。
プロジェクトに取り組んできた経営学部の石賀和義教授ゼミ(3年次生)と、宍粟メイプル、兵庫県信用保証協会、大学コンソーシアムひょうご神戸の担当者に加え、宍粟メイプルのメインバンクである西兵庫信用金庫、宍粟市を運行する神姫バスの担当者が参加しました。冒頭で石賀教授がプロジェクトの趣旨を説明し、兵庫県信用保証協会の堀口課長が学生の気づきやアイデアを聞けることを期待していると述べました。
① SNSを活用した情報発信の強化
企業の「魅力を発信できていない」という課題に対し、学生たちはTikTokやInstagramなどのSNS活用法をマニュアル化。動画編集アプリ「CapCut」を使った作成手順から投稿タイミング(夕方の時間帯が効果的)までを整理し、実際に学生が投稿した動画は1時間で30件以上の「いいね」を獲得しました。道の駅や企業のPRでの活用を提言しました。
② バス路線・ダイヤの改善提案
地元住民や観光客の利便性を高めるため、学生たちは現在のバスダイヤの課題を分析し、昼間やイベント期間(カヌー大会)の便数増加、最終便の遅延、特別ダイヤの新設を提案。さらに、バス停での地元特産品(かきもち・はちみつ・パンなど)の販売やスマホ決済導入、三ノ宮でのポスターによる観光資源の紹介など、「交通」と「物販・観光」を掛け合わせた新たな視点の活用が提案されました。
③ カヌー大会との連携施策
音水湖で開催される全国規模のカヌー大会に着目し、観戦者・選手・地域住民をつなぐ施策を企画。現状として、音水湖の周りには自動販売機が一つしかなく、休憩できる場所がないという課題を挙げ、移動販売車による飲料・軽食の提供、簡易ベンチ・ピクニックエリアの設置による休憩環境の改善、アンケート回答と引き換えに大会中の自身の写真を見られるシステムを提案しました。さらにアンケート回答の優秀作品を道の駅で掲示することで、選手と地域、そして大会の記憶が道の駅で繋がる仕掛けも企画しました。
④ 企業説明会向け30秒動画の活用
「地元に若者が戻ってこない」という地域共通の課題に対し、30秒の短編動画で地元企業の魅力を伝える試みが提案されました。宍粟メイプルをモデルに、業務内容だけでなく働く魅力・企業文化などをピックアップし、学生がサンプル動画を紹介。堅苦しい紹介ではなく、興味を引き、もっと詳しく知りたいと思ってもらえるような、動画を目指すことが重要であると伝えました。また宍粟メイプルが先行して動画を作成、活用することによって、地域のほかの企業にとっても良いモデルケースになることが期待できると説明しました。
⑤ 地元食材を活(い)かした新メニュー開発
学生らが提案したメニューは以下の5品です。
・淡路島トマトと波賀産ハーブの生パスタ、淡路島トマトバジル香草パスタ
・木地師ごはんカレー味
・木地師ぶっかけうどん、木地師ぶっかけうどんカレー味
いずれも地元企業との連携、簡便な調理、高収益性を実現するメニューであり、道の駅の集客力アップと持続的な売り上げ向上に繋がることが期待できる、原価計算の結果、採算も十分に取れると説明。さらに学割や期間限定メニュー、QRコードでのレシピや地元食材の情報の紹介をすることも企画しました。
関係者からは「多くの提案をいただき非常に参考になりました。後期に繋がる内容で今後もより連携を強化し、施策の実現に向けて頑張りましょう」「実行性の高い内容だった。TikTokの活用にも可能性を感じました」といったコメントがありました。
石賀ゼミの学生からは今回のプロジェクトを通じて「いろんな案が出て、とてもわくわくした」「単なる提案に終わらないように考えるのが難しかった」「フィールドワークを通して宍粟市の魅力を知ることができた」「後期も何らかの形で関わっていきたい」といった感想が寄せられました。
今回の取り組みは前期のみの企画にとどまらず、後期も継続的なプロジェクトとしての展開を予定しています。