「兵庫・神戸スマートシティMEETUP 2025」で経営学部の小川教授がパネリストを務めました
2025/11/07
本学も正会員になっているKOBEスマートシティ推進コンソーシアム主催の「兵庫・神戸スマートシティMEETUP 2025」が11月5日、神戸市中央区三宮町のスペースアルファ三宮でオンラインも併用して実施されました。講演やパネルディスカッション、会員企業による展示などがあり、デジタル技術で兵庫・神戸をもっと暮らしやすくする「スマートシティ」実現に向けた組織とプロジェクトに対する理解を深めました。
神戸市の大漉実企画調整局部長(データ利活用担当)と兵庫県の妹背勝幸DX推進監から主催あいさつがありました。続いてデジタル庁Chief Analytics Officerの樫田光氏が「本気で解かれるべき課題を創る」の演題で、またデジタル庁国民向けサービスグループ次長・審議官の岡田智裕氏が「デジタル公共財による社会課題解決策の実装に向けて」の演題でそれぞれ基調講演しました。「デジタル公共財」について、岡田氏は「日本中どの地域でも広く活用されるべき基礎的な機能を持った協調領域にあるソフトやデータ」と説明しました。
パネルディスカッションは「企業が動く課題、動かない課題-その境界線を徹底解剖」のテーマで行われ、樫田光氏、岡田智裕に加え、本学経営学部の小川賢教授(情報経済論)が神戸市スマートシティアドバイザーの土屋俊博氏の司会で議論しました。
まず「本気で取り組むべき課題とは」の問いに対し、小川教授は「本学が4年間同一キャンパスで学べるようにキャンパスへの学部再編したのは2015年。それまでは午前9時から1時限目の授業を始めていました。しかしその時間は交通機関が通勤・通学で混雑する時間帯のため、9時半開始に変更しました。これからの大学は地域と良い関係を構築しなければなりません」と述べ、少子化の時代に大学が生き残るために取り組む課題は地域との関係の構築だと具体例を挙げて示しました。
また、海上自衛隊の南極観測支援の砕氷船「しらせ」が本学のポートアイランドキャンパスに隣接する神戸港の岸壁に停泊して内部を一般公開するイベントが10月にあり、出かけてみたら土曜日なのにポートライナーは満員、見学は4時間待ちでやむを得ず外観だけ撮影して帰ったという苦い経験を語り、「先の状況を見通す力を身につけてもらうこと。これも大学に求められる課題だと言えます。そういう場を提供することが大切です」と述べました。
次に「横展開、スケールアップの条件とは何か」の問いに対して小川教授は、「家庭で子ども向けの新聞を読んでいたら生成AIを授業で使っていました。こうした10年先を見据えた展開が大切です。顧客の対象を広げる際にはトラブルも想定され、新しい課題となります。最近では大阪・関西万博のパビリオンの予約をするためサイトにアクセスしようとしても何時間も待たされるような問題がありました。ある旅館の経営者は、旅行サイトからの予約では手数料がかかるのでなるべく自社サイトから予約してもらうようにしたいと話していました。一つの技術で商圏を拡大すれば良いというものではなく、利用者の行動がどう変わるかを予測し、長いスパンで戦略を考えることが必要です」と述べました。
最後に、「明日からできる一歩」の問いに対しては、「対話です。電子情報通信学会の倫理綱領の改訂作業でも、さまざまな学問分野をバックグラウンドにもつ研究者間で議論には対話が欠かせないことから対話という言葉を重点的に議論しました。さまざまな課題に対して関係する人たちの間でも対話していくことが必要だと思います」と述べました。



