神戸学院大学

社会連携

神戸学院大学学生と兵庫県職員によるマジレス意見交換会を開催しました

2025/10/10

課題の洗い出しを行う学生ら
課題の洗い出しを行う学生ら
積極的に質問する学生
積極的に質問する学生
政策提言の発表
政策提言の発表
講評する兵庫県の木村晶子理事
講評する兵庫県の木村晶子理事
参加学生と兵庫県職員
参加学生と兵庫県職員

神戸学院大学学生×兵庫県職員によるマジレス意見交換会を8月22日、27日、9月12日の3日間にわたりポートアイランド第1キャンパスにて開催し、公務員や行政の仕事、地域課題解決に興味がある学生10人と兵庫県の若手職員3人が参加し、若者支援施策について熱い議論を交わしました。

この取り組みは、兵庫県と神戸学院大学が、2017年に締結した「地域創生に係る包括連携協力協定書」に基づく取組の一環として企画されたもので、意見交換会を通じて、若者の視点から兵庫県が抱える課題を抽出し、その解決に向けた政策提言を行うことを目的に開催されました。

1日目、2日目は、3グループに分かれ、個別に若者向けの施策のテーマを決定し、課題の洗い出し、グループ分け、解決策の検討、発表資料の作成を行いました。今回の政策提言では「課題解決策に至ったエビデンス」を根拠資料として準備することが必要であり、各グループは、他自治体の事例や国の調査結果等を用いて、説得力のある提案ができるよう検討を重ねました。迎えた3日目の発表当日は、兵庫県若者・Z世代応援等調整担当の木村晶子理事、企画部の守本豊部長、原晃計画課長に、これからの兵庫県に必要な若者支援施策について発表を行いました。

Aグループは、若者の兵庫県の農業、産業、自然などへの関心の薄さが、県外への若者流出と担い手不足につながっていると指摘し、解決策として、若者と地域をつなぐ関係人口アプリの導入を提案しました。アプリの導入により、地域活動の情報入手が簡易となり継続して地域活動に参加し、若者が社会とのつながりを得るとともに、地域には担い手確保や産業の活性化に繋がる、双方にメリットのある持続的な地域社会の実現を目指すことを訴えました。

Bグループは、厚生労働省による年齢別の社会参加活動の結果を基に、若者の社会参加活動への参加率が低い現状を指摘。地域活動の担い手不足が深刻化し、若者が活躍できる地域社会になっていないことに焦点を当て、若者が地域活動に参加しやすい環境を整備し、地域への愛着を醸成することの重要性を強調しました。解決策として、兵庫県の五国ごとに若者のネットワークを形成し、イベント企画・運営が可能なコミュニティを設立することや、ボランティアマッチングサイトを開設し、社会参加活動に参加できる環境を整備することを他自治体の事例をもとに紹介しました。

Cグループは、学生の授業料、下宿費、交通費、就職活動費といった金銭的負担の大きさと、就職を機に若者の県外流出と地元中小企業の人材不足という、双方の課題を提示し、若者が地元企業を知る機会を増やすことの重要性を強調しました。解決策として、インターンシップ交通費補助施策を掲げ、兵庫県在住の15歳から30歳の若者で、就職関連イベント(インターンシップを含む)に参加する者に往復交通費の2~3割を補助することで、金銭的負担を軽減し、インターンシップや企業説明会への参加ハードルを下げ、地元企業の魅力発見を促進。結果として、学生の地元企業への就職者増加に繋げ、県内の人材不足解消に貢献する政策を提言しました。

発表終了後、兵庫県の木村理事、守本部長、原課長から講評を受けました。

木村理事はエビデンスに基づいた具体的な課題提起と解決策を提案していた点を高く評価した上で、「サイトやアプリを作るという提案においては、まず『自分の周りの友達が参加してくれるか』という視点が重要です」と利用者側の目線に立ち、踏み込んで考えることが重要であるとコメントしました。

守本部長は、「インターンシップの交通費補助に関しては、データに基づいた説得力のある提案で、実現性を感じることができました。一方、アプリの提案では、既存のマッチングアプリに目を向けて、『こういう問題があるから、新たな仕組みをつくる』といったようなところまで提案できると、より説得力が出てくる」と指摘しました。

原課長は「若者向け施策のテーマに対し、個人の悩みだけでなく、地域コミュニティの活性化といった多角的な視点からの提案があったことに感銘を受けました。特に、若い世代がボランティア活動に参加することで地域を活性化し、兵庫県全体の発展に繋がるという視点は非常に意義深い」と評価をしました。

最後に兵庫県企画部計画課の野間口裕嗣班長が、「学生が主体的に考え、実践する姿勢から多くを学んびました」と3日間の取り組みと発表への感謝を述べ、「今回の経験が今後の活動につながることを期待します」と締めくくりました。

担当者は「今回の『マジレス意見交換会』は、本学学生が地域社会の課題に主体的に向き合い、具体的な解決策を提案するという貴重な機会となりました。今後もこのような地域連携活動を通じて、学生の成長を支援し、地域連携の強化を推進してまいります」と述べています。

参加した学生からのコメント
■鹿瀬小倖さん(現代社会学部 1年次生)
今回参加して、自分自身が兵庫県出身で、地元に愛着があるからこそ、ここに住み続けたい、ここで働き続けたいという思いがあることを再確認しました。横のつながりを強化し、多世代が気軽に交流できる環境を整えることで、地域への愛着が育まれ、地域に住みたいと思う人が増えるのではないかと感じました。

■佐藤康介さん(経営学部 3年次生)
地域課題について、自分から積極的に調べる機会があまりありませんでしたが、今回、自ら調べることで新たな発見や楽しさに気づけました。この経験を生かして、将来、地域課題解決に貢献できる仕事に就きたいです。

■藤田一颯さん(法学部3年次生
今回は、発表者として参加し、3日間でさまざまなことを経験できました。自分たちだけでは気づけなかった深いアドバイスや意見をいただき、感謝しています。この経験を活かして、今後も兵庫県に貢献できる人材になりたいです。