六甲バター株式会社代表取締役社長兼CEOの塚本浩康氏がトップランナー特別講義で講演しました
2025/04/23
地元神戸の企業経営者や団体のトップとして活躍している14人がどのようなビジョンを持って発展してきたかなどについて語る「トップランナー特別講義」。4月21日は、本学経済学部の卒業生である六甲バター株式会社代表取締役社長兼CEOの塚本浩康氏が「チーズを通して食の未来を創造する」をテーマに登壇しました。
六甲バター(株)は、神戸市中央区に本社を置き、神戸を中心に全国に2つの生産拠点と、6つの営業所を持つ、日本を代表する食品メーカーです。
冒頭、塚本氏は六甲バター(株)のルーツと創業の精神について「創業者である祖父が、終戦直後の貧困の中、子どもたちが栄養失調に苦しむ状況を目の当たりにし、栄養価の高いマーガリンを提供することで社会を良くしようとマーガリン事業を開始。そのマーガリンの商品名『六甲バター』が現在の社名の由来である」と紹介しました。
六甲バター(株)はお客様に、「安い(値段以上の価値がある)・便利(使いやすく、どこでも買える)・これしかない(オンリーワン)」という価値を提供することで商品力を高め、その結果、日本の家庭用プロセスチーズのシェアナンバーワンを維持できているのではないかと説明しました。「安い・便利・これしかない」は、4章69項目からなる「六甲バターフィロソフィ」の1項目で、六甲バターの全社員が携帯する手帳に記載されています。「六甲バターフィロソフィ」は全社員の共通言語となっており、共通の価値観を持って仕事に取り組むことを可能にしているそうです。
次に、「健康で、明るく、楽しい食文化の提供によって社会に貢献する」という経営理念の実現に向けて、開発先導型活力企業として組織開発にも注力していることを語りました。組織開発の事例として、「アメーバ経営(組織を小集団に分け、全社員の経営参加を促す仕組み)」を挙げ、組織の成果を見える化し、一人ひとりが経営を意識しやりがいを感じられる環境作りを行っていることを紹介しました。
また、植物由来のチーズ「プラントベースチーズ」の開発を例に挙げ、お客様からのさまざまなニーズに応えられるよう食の選択肢を増やす取り組みを行いたいと話しました。
最後に塚本氏は、「六甲バターフィロソフィ」の最後の項目から「運と縁を生かす」という言葉を紹介し、「今日、自分とみなさんの間にも新しい縁が結ばれたのではないか。結ばれた縁を生かすのは、みなさんの行動と選択次第。みなさんに良縁が訪れ、その良縁が社会をよくすることにつながる。今日の講演がそのきっかけになれば」とエールを送りました。
学生からは、「運と縁を生かすという言葉がとても心に刺さりました。これを掲げる会社だから日本のチーズ市場シェアナンバーワンなのだと納得しました」「自分の人生にも生かしていける部分があると感じ、勉強になった」などの感想がありました。
次回、4月28日は、SRCグループ グループCEO兼Kiss FM KOBE代表取締役社長の横山剛氏が登壇予定です。