神戸学院大学

社会連携

グリーンフェスティバル「井上郷子ピアノ・リサイタル~アメリカ実験音楽と日本の創作~」を開催しました

2025/06/24

演奏する井上郷子さん
演奏する井上郷子さん
終演後は惜しみない拍手が送られました
終演後は惜しみない拍手が送られました
プレ・トークを行う伊藤さんと宇野教授
プレ・トークを行う伊藤さんと宇野教授

第471回グリーンフェスティバル「井上郷子ピアノ・リサイタル~アメリカ実験音楽と日本の創作~コンテンポラリー・シリーズⅡ ジョン・ケージ、モートン・フェルドマンとその後」を6月21日に有瀬キャンパスメモリアルホールにて開催し、来場者約200人が演奏を楽しみました。本プログラムは、プレ・トークとリサイタルの2部構成で実施しました。

はじめに演奏前の導入として、作曲家の伊藤祐二氏と人文学部の宇野文夫教授が登壇し、「アメリカ実験音楽とその影響」と題してプレ・トークを実施しました。宇野教授はヨーロッパにおけるクラシック音楽、アメリカ実験音楽の歴史的背景やジョン・ケージ、モートン・フェルドマンらの概念を解説。伊藤氏は自身の音楽観や作品について語り、来場者らはリサイタルへの理解を深めました。

続いて、現代音楽ピアニストの井上郷子氏によるピアノ・リサイタルを開催。前半は、ジョン・ケージ「風景の中で ”In a Landscape”」から始まり、近藤譲「夏の小舞曲」、伊藤祐二「偽りなき心Ⅱ」、甲斐説宗「ピアノのための音楽」の4作品を演奏しました。

後半冒頭には宇野教授が舞台に上がり、「後半の曲目は非常に静かな音楽で、聴いているうちに色んな雑念や思考が無くなり、雄大な時間が流れていることに気づかされると思います。普段しない経験だと思いますので、新しい聴き方としてゆっくり楽しんでください」とこれからの曲目の聴き方について簡単な案内を行いました。

その後、井上氏が再び舞台に上がり、モートン・フェルドマン「ピアノ作品1952」と「マリの宮殿 “Palais de Mari”」を演奏しました。来場者は、音の響きや微細な変化、そして時間の流れにじっと耳を傾けました。

全ての曲目が終了すると、会場は拍手で包まれました。最後にアンコールとして、ジョン・ケージ「夢」を演奏し、リサイタルは幕を閉じました。

来場者からは、「普段ふれることのない現代音楽というジャンルを堪能でき、素晴らしい体験でした」「初めて聞く分野なので勉強になりました。宇野先生の解説も楽しかったです」などの感想がありました。

次回は、7月5日に「フルート音楽を集めて~バロックから現代まで・独奏から三重奏まで~」を開催します。