神戸学院大学

社会連携

産官学による「KOBE観光促進プロジェクト」の発表会を実施しました

2025/07/24

KOBE観光促進プロジェクト参加者による記念撮影
KOBE観光促進プロジェクト参加者による記念撮影
発表する経営学部の石賀ゼミ生
発表する経営学部の石賀ゼミ生
発表する経営学部の石賀ゼミ生
発表する経営学部の石賀ゼミ生
発表するGC学部の森下ゼミ生
発表するGC学部の森下ゼミ生
発表するGC学部の森下ゼミ生
発表するGC学部の森下ゼミ生
神戸市担当者のコメント
神戸市担当者のコメント
神姫バス担当者のコメント
神姫バス担当者のコメント

本学と神姫バス株式会社(本社・姫路市)、神戸市が産官学連携で企画立案に取り組む「KOBE観光促進プロジェクト」の発表会が7月16日、ポートアイランド第1キャンパスで開かれました。

■神姫バス、神戸市と2学部の2ゼミが連携
神戸市観光の中心である三宮地区からは、主要な観光スポットを巡る「シティーループ」、都心部とウォーターフロントを結ぶ「ポートループ」、さらには有馬温泉までをつなぐ高速バスなど、神姫バスが多彩な路線を運行しています。神戸空港の国際線化に伴い、外国人観光客の増加が見込まれる中、バス乗客の交通利便性を高め、多言語対応や乗員不足、効果的な運用方法などの課題を解決するためのアイデアを学生が考えて提案し、今後の事業運営に生かしてもらうとともに、神戸市の観光・交通政策面での必要な対応も考えてもらうのがプロジェクトの目的です。

プロジェクトに取り組んできた経営学部の石賀和義教授ゼミ(3年次生)とグローバル・コミュニケーション学部の森下美和教授ゼミ(4年次生)のほか、神姫バスと神戸市の担当者が参加しました。冒頭で石賀教授がプロジェクトの趣旨を説明し、神姫バス神戸営業所の生田佳寛所長が学生の気づきやアイデアを今後の事業に生かしたいと述べました。

■経営学部・石賀ゼミ「シティーループを灘五郷へ運行」
まず、石賀ゼミは「灘五郷とCITY LOOP(シティーループ)の活性化」と題して発表しました。シティーループやポートループを活用したインバウンド観光客の利用促進と、神戸市内の回遊性の向上による観光消費の増加と宿泊率の向上に目標を設定し、フィールドワークも実施して方策を考えました。

その結果、インバウンド観光客が大阪や京都へ流出しているのは、神戸市内の観光や宿泊に関して中心となるスポットがないことがあるとの問題点を指摘しました。そこで考えたのが、シティーループの路線を延ばして「日本一の酒どころ」として知られる阪神間「灘五郷」への新規観光路線の新設です。各酒蔵やギャラリーを巡って収容力や多言語対応などの問題点もチェックしました。また、シティーループは体格の良い外国人観光客にとっては車内スペースが狭いことやパンフレットの情報量が多くてやや読みにくく、サイズにも改善の余地があることも指摘しました。

今後の神戸観光の活性化に向けては、三田と垂水のアウトレットモールを結ぶバス路線に需要があるのではないか、酒蔵とタイアップしたナイトツアーの実施も面白いのではないかとの意見も紹介しました。

■GC学部・森下ゼミ「バスの車内アナウンスは外国語でも」
続いて森下ゼミは「GC学部の観点から見る神姫バスの課題と対策案」と題して発表しました。シティーループ、ポートループの課題として、①乗り場の分かりにくさ②海外観光客への対応の不十分さ③発信力の不足④影響力の弱さ⑤認知度の低さ――を挙げました。

②については、「英語での案内表示がほとんど見受けられない」ことや「日本語以外の車内アナウンスがある車両とない車両がある」ことを指摘し、「すべての車両で外国語アナウンスを実施すべきだ」と述べました。また、乗務員の英語対応を容易にするために、考えられる質問への回答をマニュアルにして整備することを提案しました。「乗り場の分かりやすさ」については横浜市の観光スポット巡回バス「あかいくつ」の例を紹介しました。

③④⑤については、今ある公式アカウントを活用し、バスの運転席から見える景色の特集をしたり、アニメキャラクターの声で車内アナウンスを実施したりする案を示し、「とにかく神姫バスというブランドの知名度を上げたい」と強調しました。

有馬温泉にも神姫バスで出かけてみました。新神戸駅では有馬温泉行きバス乗り場の表示が分かりにくく、バス車内では日本語以外に英語、韓国語、中国語のアナウンスがあるものの音量が小さくて聞き取りにくいことに気づき、指摘しました。

◆◆◆◆◆◆
学生の発表を受けて神姫バス側から、「酒蔵とバスは親和性があるとは思うが、灘五郷まで路線を延ばすと、多額の経費がかかる」「シティーループで外国語のアナウンスがない車両はバスガイドが乗ってアナウンスしているから。(観光に役立つ情報を紹介する)バスガイドの乗車をやめて外国語アナウンスを流すことが果たして乗客サービスの向上につながるかという問題もある」と、現場の事情を踏まえた回答がありました。神戸市からは「私たちにない発想もあった。神戸にしかないもの、神戸にゆかりのあるものを大事に考えてもらいたい」とのコメントがありました。

学生からは、「プロジェクトを通して、課題を抽出し解決策を考える力が身につきました」「実務に近い形で都市交通を分析し、企画立案に携わる貴重な機会になりました」「グローバル化が進むなか、国籍を問わず誰もが使いやすい交通網を築く必要性を実感しました」「プロジェクトを通して、神戸の素敵な部分や魅力を改めて認識することが出来ました」「神戸の街が、より一層快適になり、魅力ある街になることをとても楽しみにしています」との感想が寄せられました。