グリーンフェスティバル「フルート音楽を集めて ~バロックから現代まで・独奏から三重奏まで~」を開催しました
2025/07/25
第472回グリーンフェスティバル「フルート音楽を集めて ~バロックから現代まで・独奏から三重奏まで~」を7月5日に有瀬キャンパスメモリアルホールにて開催し、来場者325人が公演を楽しみました。
神戸市は、1985年から4年に一度「神戸国際フルートコンクール」を開催しており、今年がこの年に当たります。コンクールとともに市内各地では「KOBE国際音楽祭2025」が行われ、グリーンフェスティバルも参加公演として今回のフルート演奏会を企画しました。
人文学部の宇野文夫教授による曲目解説を交えて、フルート奏者の出口かよ子さん、大升良美さん、若林かをりさんの3人が出演。バロック音楽から現代音楽まで、独奏、二重奏、三重奏を12曲演奏しました。
はじめに宇野教授が「フルートは音域が高く、単音でメロディを奏でる細かい動きが得意な楽器ですが、その反面あまり特徴がなく音量も小さいため、長大な音楽があまり得意ではない。作曲においてそれらがどう補われているかにも着目して聴いていただきたい。また、旋律を奏でるのに適した楽器なので、和音を意識して楽しんでいただきたい」とフルートがどのような楽器か説明しました。
前半は3人のフルート奏者がそれぞれ独奏を披露。武満徹「巡り -イサム・ノグチの追憶に-」、ゲオルグ・フィリップ・テレマン「幻想曲第2番」、クロード・ドビュッシー「シランクス(パンの笛)」や、シャルル・ケックラン「テクネールの歌」より3曲「誤謬と軽率が矢を乱れ打ち」「星夜への哲学者の讃歌」「勝者の笑い」などを演奏し、会場には透き通るような心地の良いフルートの音色が響き渡りました。
後半は、現代のフルート音楽として、エドガー・ヴァレーズ「比重21.5」、松平頼則「蘇莫者(そまくしゃ)」を披露。演奏前に宇野教授が、「ヴァレーズの音楽は、不協和音が執拗に鳴らされるスタイルで、低く深い低音から徐々に高音へと上昇していく変化や、強弱の落差が作品の表現の大きな要素である。松平頼則は、日本の雅楽と西洋前衛音楽を融合させた独特な音楽を創作し、激しい音とゆったりしたテンポが共存する個性的な音楽が、現代音楽として高く評価されている」と紹介しました。
最後は二重奏として、ジョン・ケージ「2本のフルートのための3つの小品」、武満徹「2本のフルートのためのマスク(コンティニュー、インシデンタル)」の演奏に続き、三重奏として宇野教授が作曲した「3本のフルートのための小品」を披露しました。繊細に重なり合うフルートの音色を聞いた客席からは大きな拍手が上がり、盛況のうちに終演しました。
来場者らは「宇野教授の解説があり、現代音楽についても理解を深めることができ楽しかった」「フルートの魅力に触れることができ非常に貴重な経験ができた」など多数の感想を述べました。
2025年度のグリーンフェスティバルは本公演をもって全て終了しました。
2026年度のグリーンフェスティバルは詳細が決まり次第、HPなどでお知らせします。
2025年度秋季はメモリアルホールの改修工事のため、グリーンフェスティバルの実施はございません。