株式会社神戸新聞社の梶岡修一代表取締役社長が「トップランナー特別講義」で講演しました
2025/07/03
地元神戸の企業経営者の方々が、どのようなビジョンを持って発展してきたかなどについて語る「トップランナー特別講義」。6月30日は、株式会社神戸新聞社の梶岡修一代表取締役社長が「健全な情報空間と新聞が果たす役割」をテーマに登壇しました。
冒頭、インターネットの普及やSNSの影響で新聞の購入部数が減少し、業界全体が経営的に厳しい状況にあることを説明。新聞やテレビをオールドメディアとして批判する声も多くなっていることから、時代やニーズに合わせてあり方を見直す必要があると述べました。また、ネットやSNS上で見られる意見の対立の激化、偽情報や誹謗中傷による犠牲者が出ている現状に触れ、好きな情報のみに触れることの危険性を学生に伝えました。
次に、新聞記者を志すきっかけとなった書籍を紹介。その書籍の著者が新聞記者であり、過酷な現場で危険を顧みず取材し原稿を書く姿に共感したことで、新聞記者をめざすようになったと当時を振り返りました。また、学生時代にマスコミサークルへ所属し、海外旅行で異文化に触れたことで、新聞記者になりたいという気持ちが固まったと語りました。この経験から、学生たちにも、社会に出る前から本や映画、さまざまな人との出会いと対話を大切にしてほしいと伝えました。また、日ごろから情報を多面的に入手することが必要であると述べ、その手段として新聞を読むことが有効であるとの持論を展開しました。
また、インターネットやSNSは便利であるものの、デマや誹謗中傷が簡単に拡散される危険性があると指摘。コロナ禍でのトイレットペーパー買い占め騒動等を例に挙げ、情報の発信元を確認することの重要性を伝えました。現在、情報空間が健全とは言えない状況にある中で、新聞社は政治・経済・事件事故など幅広い分野を取材し、正確な情報を伝える役割を担っていると述べました。また、見出しやリード文を読むだけでも世の中の動きを把握できる「タイパ(タイムパフォーマンス)」の良さや、一覧性があり多様なニュースに接する機会を得られることから、多面的な情報収集に有効な手段である新聞を活用してほしいと伝えました。
最後に、学生に向けて「仕事が忙しくても、確かな情報を摂取し、興味のない情報も知ることで、新たな出会いや人生の幅を広げることにつながります。新聞というものを有効に活用していただければと思います」とメッセージを送り、講演を締めくくりました。
学生らは、「新聞は単なる情報収集だけでなく、自分の視野を広げる重要な手段だと感じた」「視野を広げるためには、興味のない情報にもあえて触れることが重要だとわかった」などの感想を寄せました。
次回7月7日は、株式会社RURIKO PLANNINGの星加ルリコ代表取締役が登壇予定です。