神戸学院大学

社会連携

株式会社エムズブランディングの鵜殿麻里絵代表取締役社長が「トップランナー特別講義」で講演しました

2025/05/08

学生に語りかける鵜殿社長
学生に語りかける鵜殿社長
講義する鵜殿社長
講義する鵜殿社長
講義を聴く学生ら
講義を聴く学生ら

地元神戸の企業経営者の方々が、どのようなビジョンを持って発展してきたかなどについて語る「トップランナー特別講義」。5月7日は、株式会社エムズブランディングの鵜殿麻里絵代表取締役社長が「『やりたいこと』を『やり抜く力に』」をテーマに登壇しました。

冒頭、自身のライフチャートを見せながら半生を振り返り、自己紹介と携わってきた事業について説明しました。幼少期は身体が弱く、ほとんど学校へ通えなかった鵜殿社長は、実家である料亭「松廼家」で大人たちに囲まれて育ちました。高校生の頃、阪神・淡路大震災により実家の料亭「松廼家」が全壊。子どものころから世話をしてくれた料亭の社員が職を失い、仕事に生きてきた祖母が落胆する姿を目の当たりにし、家業を継ぎ再興させることを決意しました。

震災から2年後、「松廼家」は日本料理店へと業態を変え、三宮交通センタービルで再スタートを切りました。当時19歳だった鵜殿社長は、店長に就任。昼は学業、夜は店舗での業務に励み、年上の社員たちとの関係に悩みながら、卒業までの日々を過ごしました。この経験から見つけ出した効果的な指導法として、「すべての答えを指導するのではなく、相手に一旦考えてもらい、答えを出してもらう」方法を示し、「皆さんが人の上に立つ時が来たら思い出してほしい」と語りました。

卒業後は社会勉強のため、別の会社へ就職し、企画や広報の仕事を経験。自社にはなかった組織の体制を学んだ鵜殿社長は、24歳で家業を継ぎ、会社の代表取締役兼「松廼家」4代目女将に就任しました。その後、本業以外にもライターや講演会の講師、兵庫県のPRなどに携わり、活動の幅を広げます。「現在では数々の講演依頼をこなしているが、元は人前で話すことに強い苦手意識を持っていた」と述べ、学生に苦手意識と向き合う方法を伝えました。

「苦手意識と向き合う方法」として、まずは苦手なものを細分化し、次に細分化したものを1つずつ解決していくことを勧めました。自身の経験として、講演会に対する苦手意識を克服するために、90分間の講演内容をすべて書き出したことや、人前で話す機会があれば積極的に手を挙げたエピソードを紹介。また、苦手を克服することで、今後の仕事の選択の幅がどんどん広がると述べ、理性的に苦手意識と向き合っていくことを促しました。

最後に、「私たちは持って生まれたものは選べない。けど、未来は自分で作れます。選択肢は無限です。自分の人生は自分で切り拓きましょう」「どんな状況でも壁を乗り越えられる強い力を身に付けるため、挫折・挑戦・経験などいろんなものを繰り返し、自分の価値観や主軸となる信念を探し続けて欲しい」と学生たちにエールを送り、講演を締めくくりました。

学生らは、「苦手を細分化することで対処法が見えるという手法は、自己理解の有効な手段だと感じた」「将来どんな選択をしても悔いのないよう苦手なことを克服し、やりたいことをやり抜けるようにしたい」などの感想が寄せました。

次回5月12日は、神戸新交通株式会社の辰馬秀彦代表取締役社長が登壇予定です。