楽天ヴィッセル神戸の鈴木氏と泉氏が法学部で特別講義を実施しました
2025/10/23
プロサッカーチーム「ヴィッセル神戸」を運営する「楽天ヴィッセル神戸株式会社」のクラブサポート本部人事総務部の鈴木綾乃氏、1stチーム統括本部1stチームマネジメント部の泉拓生氏による特別講義「法律が支えるスポーツビジネスの舞台裏:ヴィッセル神戸の事例から」を10月23日、法学部で実施しました。
この特別講義は、本学とヴィッセル神戸とのパートナーシップ事業の一環として実現し、法学部2年次生を中心に約220人が受講しました。
まず、鈴木氏が講演に先立ち、ヴィッセル神戸30周年記念のチーム紹介動画を放映し、ヴィッセル神戸の事業概要とビジネスモデルについて説明しました。主な収益源として、チケット販売、応援企業からの協賛金、スタジアム運営、グッズ販売等があり、多角的な事業展開をしていることを知り、学生たちはスポーツビジネスの深さに感心したようでした。
その後講義のメインとなる、ヴィッセル神戸の事業に関連する法務についての話となり、全てのサービスに共通して関わる法律・契約を中心に、個人間の権利義務関係や契約の基本ルールを定める民法、商取引全般に関する商法について学生らに向けて説明しました。鈴木氏は、「なぜこの法律があるのか」という疑問を持つ姿勢が、法律を深く理解し、事業に生かす上で重要であると強調しました。
後半は泉氏から、プロサッカークラブの核心である選手契約と移籍金に関する詳細な説明がありました。プロスポーツ選手とアマチュアスポーツ選手の明確な違いは「契約で金銭のやり取りが発生するかどうか」という前置きがあり、プロ契約では、選手は試合出場義務を負い、クラブは報酬を支払い、その中でさまざまな選手の権利を保護していると説明しました。選手の移籍については、サッカー界では移籍金が高騰し、100億円を超えるケースもあるとのことで、巨大な金額が動く契約の実態に学生たちは驚いた様子でした。最後に「契約は選手とクラブの利害調整を行い、権利関係を明確化することで紛争を防ぎ、バランスの取れた関係を築くための重要なツールである」と締めくくりました。
鈴木氏と泉氏は最後に、法律関係の専門職に就かなくとも、日常業務の中で「この契約は適切か」「この事業は法律的に問題ないか」といった問題意識を持ち、アンテナを張ることが重要であると学生にメッセージを送りました。
質疑応答の時間では、「Jリーグクラブと一般企業の法務の違いは何ですか」との質問に対しては、鈴木氏は「業界によって遵守すべき法律が異なる点が最も大きな違いで、JリーグクラブはFIFAやJリーグ独自のルールも守る必要がある」と回答しました。
参加した学生からは「企業の法務部に関する講演をなかなか聞くことがなかったため、すごく良い経験になりました。サッカー業界は自分が知らないだけで色々なビジネスを展開していることを初めて知り、良い学びになりました」とコメントがありました。





