神戸新交通株式会社の辰馬秀彦代表取締役社長がトップランナー特別講義で講演しました
2025/05/14
地元神戸の企業経営者や団体のトップとして活躍されている14人がどのようなビジョンを持って発展してきたかなどについて語る「トップランナー特別講義」。5月12日は、神戸新交通株式会社の辰馬秀彦代表取締役社長が「鉄道事業で『働く』ことを通じて~神戸のまちでしあわせ運べるように~」をテーマに登壇しました。
冒頭、自己紹介を兼ねて自身の経歴を振り返りながら、鉄道業界を就職先として選んだ理由について話しました。
辰馬社長は就職活動をするにあたり、「働く」とはどういうことか改めて考え、「自立」「人としての成長」「社会に貢献する」という人生のステージへ入ることだと捉え、就職先を選ぶ時も、働く中で「成長」できるか、社会に「貢献」し感謝される仕事であるかを基準として、広く生活サービスを提供し、早期に役割責任を与えられる可能性が高い鉄道会社への就職を決断したと述べました。また、これから人生の節目を迎える学生に対し、「人生の節目では自分で悩み考えて、決断することが大事な経験となる。どれほどAIが発達しても自分で考え抜いてほしい」と語りかけました。
次に、働くことを通じて学んだことを紹介。入社直後の現業体験(駅係員・車掌・運転手の仕事)では、お客さまと接する現場の実情を知り、経営に不可欠な知見を得ることができました。また、若くして管理職となり、約1,000人の社員の人事を預かった時には、身をもって率先垂範な姿勢の必要性や、日ごろから信頼関係を構築することの重要性を学んだと述べました。
さらに、経営者として北神急行電鉄の存続問題の解決にあたった経験から得た、「企業経営は本質的に家族経営の商店と同じ」という考えを紹介しました。「社会に役立つ良い仕事・商品の提供は、家族が幸せに暮らしていくためであり、幸せになるために努力することで人として成長できる」として、このような循環を作ることが経営者として大切であると説きました。
最後に、これからの社会を担う学生に対し、「自らの成長曲線を信じて、日々の努力や謙虚な学びの姿勢、積極的な行動を、諦めずに繰り返していけるかが大事。一人ひとりが全力で役割を果たすことで社会は成り立っていることを忘れず、皆さんには『会社員』ではなく、『社会人』になってほしい」と言葉を送り、講演を締めくくりました。
学生らは、「就職や将来について考える時、周囲に流されず自分の考えを持って決断することの大切さに気付いた」「働くとはどういうことか、その意味を改めて考え直すきっかけになった」などの感想を寄せました。
次回、5月19日は、非営利活動法人プラス・アーツの永田宏和理事長が登壇予定です。